再開発進む下北沢で、古着にトライしたい大人向け超厳選3ショップ 〜後編〜【着る/知る Vol.160】

  • 写真・文:一史

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小田急線の東北沢駅→下北沢駅→世田谷代田駅までの地上線路跡地が、商業施設やイベント広場になった。写真手前は東北沢駅方面の「下北線路街 空き地」。下北沢駅は写真奥だ。区画整理されているこちらの北側エリアは、古着店中心のすっきりした街並み。飲食店中心のにぎやかな南側エリアとはムードが異なる。

洗練されたモダンな感性と、昔ながらのローカリズムが同居する近年の東京・下北沢。駅周辺の再開発がいい形で進んだ好例だろう。遊びに来た若者から地域住民まで皆が一様に変化した街を楽しんでいるようだ。ファッションでシモキタを代表するのはいまも変わらず古着。今回のファッション連載「着る/知る」は、古着店に馴染みが薄い大人層でも買い物しやすくワクワクできる店の紹介。前編の「フロクシノーシナイヒリピリフィケーション(floccinaucinihilipilification)」に続き、「モンク(MONK)」「メドウバイフラミンゴ (meadow by FLAMINGO)」をお届けする。シモキタ散歩をナビする街スナップも併せてお愉しみを。

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現代的なトラッド解釈が心地いい隠れ家のモンク

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下北沢駅の東口や西口の出口から、徒歩数分の地下にあるメンズショップ。

「こんな場所に評判の店があるのか?」。懸念を抱きつつ狭い外階段を降りていくと、そこは意外なほどのコンパクトな店。しかし「この規模ならさらりと見て回れそう」との考えは、店内に入りすぐに頭から消え去ることになる。ラックに並ぶシャツの一着一着から、奇妙なオーラが出ているのだ。どうやら軽く見るだけでは済みそうにない。「カジュアルな服なのになぜ!?」とブランドネームを見ると、ブルックス ブラザーズやアローといったその道の有名ブランドの名がずらり。声を掛けてくれた若いスタッフいわく、「そのシャツは6ツボタンだった古い時代のブルックスです。タグを見ると年代もわかり……」。マニア心に響く服がそこら中に置かれている。
ただし希少価値やクラシックとは狙うベクトルが異なるのがこの店「モンク」の醍醐味。トラッドはあくまでもファッションジャンルのひとつ。ポップな服、実験的な服、日本のデザイナーズまで同居している。1960年代も現代も、わけ隔てなく一緒だ。20~30歳代のポストトラッド世代が運営する古着店ならではのミクスチャー感覚が小気味いい。

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オールド・ブルックス ブラザーズのシャツ袖をまくった、夏のドレスダウンコーデ。色味を抑えてクリーンに仕上げた大人スタイル。着こなしたのはショップスタッフの佐藤尚弥。シャツ ¥12,980(税込)

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パンツにもご注目を。60年代フランス軍のドレッシーなセレモニー用パンツの丈をカットしてカーゴポケットをつけたモンクのオリジナルリメイク品だ。在庫があれば購入がまだ間に合うかも!? ¥14,850(税込)

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店名の由来は、60年代に活躍したジャズ界の大御所ピアニスト&作曲家のセロニアス・モンク。不協和音も正統派もこなす彼の才能と、店が目指すスタイルとを重ね合わせている。

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左 ブルックス ブラザーズのレトロリゾートシャツ。¥14,850(税込)、右 渡り幅が太いクラシックパンツ。¥15,400(税込)

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ジャケットは釣り用のバブアーで、珍しくフードがついている。¥22,000(税込)、裾がフレアな70年代調パンツ。¥13,200(税込)、ストラットンの固いストローハット。¥15,950(税込)

下北沢という場所柄もあり客の中心は若い世代。服好きの友人同士やカップルが、持ち帰る服を熱心に吟味している。このモンクを大人に薦める理由のひとつに、誰もが居心地よくいられる点がある。スタッフたちは商品知識豊富で、大手ブランドのように品のいい接客。服好きが集う隠れ家にふさわしい佇まいだ。さらに品数がほどほどなのもちょうどいい。たくさんの古着に囲まれるのが、幸せな人もいれば疲れてしまう人もいる。この店なら皆がいい買い物をできるに違いない。
短く言い表すなら「知的なセンス」のモンク。私的に下北沢ナンバーワンの気に入り店だ。

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ラグなどのエスニック品も散見する店内。どのジャンルも趣味がよく、堅くなった大人の頭を柔らかくシャッフルしてくれる。

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場所のわかりやすい目印は、無印良品の路面店。その隣にあるコーヒーカフェの地下にある。

MONK

東京都世田谷区北沢2-26-25-B102
営業:14時〜20時(月〜金)、13時〜20時(土日祝)
不定休
TEL:03-6407-8897
@monk_vintage_archive
MONK

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SHIMOKITA life part 2

モダンなスポット、トラッドなスポット。
シモキタ散歩のガイド。
 ※前編から続く後編。

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北側エリアに2021年にできた開放的な商業施設「リロード」。飲食店、雑貨店、メガネ店、香水店などが縦長の2階立て建築に同居。同コンセプトでホテルとライブ会場も隣接し、このライブ会場「ADRIFT」では23年5月に、ファッションデザイナーのステラ・マッカートニーがパーティイベントを開催。来日した当人も訪れた。
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リロード散歩で外せないのが、茶師十段の「しもきた茶苑大山」の抹茶かき氷。最後まで濃い抹茶を味わえる。テイクアウトしてリロード内のひさしのあるテーブル席に座り、ゆっくりと涼しく時を過ごそう。

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街の食を代表するのがカレー。聖地と言われるほどカレー店がひしめき合っている。上写真は下北沢周辺の羽根木(最寄りは新代田駅)にある「キッチン アンド カリー」。辛味の少ない創造的な調理で、大人の舌を満足させる希少な名店。

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店内をナチュラルカラーが満たす、大人空間のメドウバイフラミンゴ

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牧草地を意味する英語のmeadowと名付けられた、ナチュラルテイストの店。フラミンゴ系列らしいエッジーな感性も漂う。

「フラミンゴ」といえば下北沢古着のシンボル的な老舗。シモキタの古着店と聞いてまず頭に浮かぶのが同店や系列の「フロリダ」な人は多いはず。そのフラミンゴ系列に、品揃えもディスプレイも美しい店があるのをご存知だろうか。メイン通りから奥まった場所に佇む「メドウバイフラミンゴ」である。
数年前に初めて訪れたとき、しばらくはここが古着店と気づかなかった。「古着も置いてあるセレクトショップ」という印象だったのだ。中目黒の川沿いや代官山にありそうなお洒落ムードは、下北沢でワンアンドオンリー。品揃えはメンズ7割、ウィメンズ3割でメンズが多いが、ドライフラワーが彩る内装はジェンダーレス。大人カップルが休日散歩コースに組み込める店構えだ。
「当社が主にアメリカで買い付けたものから、さらに1点1点をセレクトした品揃えです。落ちついた色を選ぶことに加え、状態のいい古着だけに絞るのも店のやり方。魅力的な服や小物を倉庫で見つけても、メドウのお客さまに合わないと感じたら仕入れません」と話すのは店長の保坂瑞希。

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倉庫のように高い天井に驚く店内。居心地のよさも、アイテムの見やすさも下北沢随一だろう。

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スタッフが着用した着こなし。冒険家が愛したウィリスアンドガイガーのサファリ調ジャケットとデニムを合わせ、シューズはイギリス軍のヴィンテージ。

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袖をまくって暑さが残る秋口から冬まで着られる。着用者はショップスタッフの平井優輝。ジャケット ¥32,780(税込)

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蝶やニュージランドの動物がプリントされたボタニカル系ヴィンテージTシャツ。無地のジャケットやシャツのインナーに着れば、装いに爽やかな動きが出る。左右ともに、 ¥11,880(税込)。

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右のTシャツは、誰かの誕生日記念品と思われる品。左の人物Tシャツに書かれた文は、「My girlfriend's sister is Hot!」。彼女でなくその姉妹がセクシーってこと!? こんな楽しい服を置くのもメドウの奥深さ。Tシャツ右 ¥9,680(税込)、左 ¥7,480(税込)。

有名無名を問わない古着セレクションのなかで、ポップなTシャツが着こなしの幅を広げている。ベーシックにまとめた服装のインナーにユーモアTシャツを差し入れたアクセントコーデを愉しみたい。ワードローブを揃える買い物だけでなく、着崩しやハズしにトライする高揚感の演出もメドウバイフラミンゴの巧みな仕掛けだ。
顧客のなかには、美容室帰りにふらりと立ち寄り購入していく近隣住民も。夜9時までやっており仕事帰りに覗くのもいい。日常にすんなりと馴染む大人の憩いの場だ。ひとつひとつが丁寧に選ばれた小物や雑貨も、つい持ち帰りたくなる魅力に溢れている。

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フラミンゴオリジナルリメイクブランドのノマディズムも扱う。このワイドパンツはウエストバンド部分がデニム。¥42,680(税込)。@nomadism___

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もっとも近い下北沢駅の出口は、京王井の頭線の西口。徒歩数分の路地裏奥にある。隣はオープン席のあるカフェ&バー。

 

meadow by FLAMINGO

東京都世田谷区北沢2-26-14 下北沢Cooビル A号室
営業:12時〜21時(土日祝は11時から)
無休
@meadow_by_flamingo

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SHIMOKITA life part 3 

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北側エリアの外れにある一番街商店街は、人気カレー店と古着店が連なる通り。駅から遠いため人通りも限られ、ゆっくり散策できる。店が閉まっている時間帯は、各店のユニークなシャッターアート鑑賞タイムだ。

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一番街商店街に突如出現した「ル ラボ 下北沢店」。表参道、代官山らに路面店を持つ話題のニューヨーク発香水ブランドによる異例の出店だ。ヴィンテージ家具を内装に使うル ラボは、この地の街並みに合うニッチフレグランス。2023年6月オープン。

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鉄道と街の文化とが密接に結びつく下北沢は、電車で行くのが似合う街。井の頭線なら渋谷駅から、小田急線なら新宿駅からともに10分以内で着く。

2回にわけてお送りした下北沢の古着店特集はいかがだっただろうか。<再開発進む下北沢で、古着にトライしたい大人向け超厳選3ショップ 〜前編〜【着る/知る Vol.159】>も、今回お届けした後編と合わせてぜひご高覧を!

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【画像】再開発進む下北沢で、古着にトライしたい大人向け超厳選3ショップ 〜後編〜【着る/知る Vol.160】

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駅(写真奥)東口から続く、飲食や古着の出店イベントが開かれる広場。こちらの北側エリアは古着店中心のすっきりとした街並み。飲食店中心の南側エリアとは異なるムード。

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下北沢駅の東口や西口の出口から、徒歩数分の地下にあるメンズショップ。

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オールド・ブルックス ブラザーズのシャツ袖をまくった、夏のドレスダウンコーデ。色味を抑えてクリーンに仕上げた大人スタイル。着こなしたのはショップスタッフの佐藤尚弥。シャツ ¥12,980(税込)

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パンツにもご注目を。60年代フランス軍のドレッシーなセレモニー用パンツの丈をカットしてカーゴポケットをつけたモンクのオリジナルリメイク品だ。在庫があれば購入がまだ間に合うかも!? ¥14,850(税込)

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店名の由来は、60年代に活躍したジャズ界の大御所ピアニスト&作曲家のセロニアス・モンク。不協和音も正統派もこなす彼の才能と、店が目指すスタイルとを重ね合わせている。

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左 ブルックス ブラザーズのレトロリゾートシャツ。¥14,850(税込)、右 渡り幅が太いクラシックパンツ。¥15,400(税込)

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ジャケットは釣り用のバブアーで、珍しくフードがついている。¥22,000(税込)、裾がフレアな70年代調パンツ。¥13,200(税込)、ストラットンの固いストローハット。¥15,950(税込)

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ラグなどのエスニック品も散見する店内。どのジャンルも趣味がよく、堅くなった大人の頭を柔らかくシャッフルしてくれる。

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場所のわかりやすい目印は、無印良品の路面店。その隣にあるコーヒーカフェの地下にある。

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北側エリアに2021年にできた開放的な商業施設「リロード」。飲食店、雑貨店、メガネ店、香水店などが縦長の2階立て建築に同居。同コンセプトでホテルとライブ会場も隣接し、このライブ会場「ADRIFT」では23年5月に、ファッションデザイナーのステラ・マッカートニーがパーティイベントを開催。来日した当人も訪れた。
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リロード散歩で外せないのが、茶師十段の「しもきた茶苑大山」の抹茶かき氷。最後まで濃い抹茶を味わえる。テイクアウトしてリロード内のひさしのあるテーブル席に座り、ゆっくりと涼しく時を過ごそう。

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街の食を代表するのがカレー。聖地と言われるほどカレー店がひしめき合っている。上写真は下北沢周辺の羽根木(最寄りは新代田駅)にある「キッチン アンド カリー」。辛味の少ない創造的な調理で、大人の舌を満足させる希少な名店。
 

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牧草地を意味する英語のmeadowと名付けられた、ナチュラルテイストの店。フラミンゴ系列らしいエッジーな感性も漂う。

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倉庫のように高い天井に驚く店内。居心地のよさも、アイテムの見やすさも下北沢随一だろう。

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スタッフが着用した着こなし。冒険家が愛したウィリスアンドガイガーのサファリ調ジャケットとデニムを合わせ、シューズはイギリス軍のヴィンテージ。

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袖をまくって暑さが残る秋口から冬まで着られる。着用者はショップスタッフの平井優輝。ジャケット ¥32,780(税込)

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蝶やニュージランドの動物がプリントされたボタニカル系ヴィンテージTシャツ。無地のジャケットやシャツのインナーに着れば、装いに爽やかな動きが出る。左右ともに、 ¥11,880(税込)。

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右のTシャツは、誰かの誕生日記念品と思われる品。左の人物Tシャツに書かれた文は、「My girlfriend's sister is Hot!」。彼女でなくその姉妹がセクシーってこと!? こんな楽しい服を置くのもメドウの奥深さ。Tシャツ右 ¥9,680(税込)、左 ¥7,480(税込)。

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フラミンゴオリジナルリメイクブランドのノマディズムも扱う。このワイドパンツはウエストバンド部分がデニム。¥42,680(税込)。@nomadism___

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もっとも近い下北沢駅の出口は、京王井の頭線の西口。徒歩数分の路地裏奥にある。隣はオープン席のあるカフェ&バー。

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北側エリアの外れにある一番街商店街は、人気カレー店と古着店が連なる通り。駅から遠いため人通りも限られ、ゆっくり散策できる。店が閉まっている時間帯は、各店のユニークなシャッターアート鑑賞タイムだ。

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一番街商店街に突如出現した「ル ラボ 下北沢店」。表参道、代官山らに路面店を持つ話題のニューヨーク発香水ブランドによる異例の出店だ。ヴィンテージ家具を内装に使うル ラボは、この地の街並みに合うニッチフレグランス。2023年6月オープン。

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鉄道と街の文化とが密接に結びつく下北沢は、電車で行くのが似合う街。井の頭線なら渋谷駅から、小田急線なら新宿駅からともに10分以内で着く。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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