坂本龍一の美意識を継ぐ、現代音楽家によるヴィオラ協奏曲

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)

Share:

【Penが選んだ、今月の音楽】
『ウェイファインダー』

03_SICX10019_jacket_ookime.jpg
藤倉 大 ソニー・ミュージックレーベルズ SICX-10019 ¥3,300

恩田陸原作の映画『蜜蜂と遠雷』で劇中曲を書いたり、チェルフィッチュの岡田利規とコラボしたりと、多彩に活躍する英国在住の作曲家・藤倉大の新譜。メインとなるのは電子音楽的な音響を生楽器で再構築したヴィオラ協奏曲で、晩年の武満徹も想起させる美しさだ。現代音楽なのに難解で高尚な印象を受けないのは、藤倉の根幹には3月末に亡くなった坂本龍一から受け継がれた美意識があるからだろう。芸術世界における坂本の評価は限定的なものに留まっているが、藤倉作品を通して再評価される可能性が見えてきた。

関連記事

※この記事はPen 2023年8月号より再編集した記事です。