ヘルシュタインというスイス北部の小さな町で、良質な時計をつくり続ける実力派ブランドのオリス。その本社を訪問し、真摯な哲学に触れた。
![oris01_Oris Big Crown ProPilot Altimeter PR 2014_01_Original_1648.jpg](/uploads/oris01_Oris%20Big%20Crown%20ProPilot%20Altimeter%20PR%202014_01_Original_1648.jpg)
オリスの創業者ポール・カッティンとジョルジュ・クリスチャンは、超高級品が多かったスイス時計業界に風穴を開ける時計を目指していた。そのため、鉄道が通り、物資の運搬が容易に行えるヘルシュタインに拠点を構えた。写真中央に連なる建物がオリスの本社。
超高級品ではなく、あらゆる人々が手にできる時計を目指し、オリスは1904年に創業した。「ORIS」の名は、このエリアを流れる川から命名。表記しやすく、どの言語圏であっても発音しやすいのも重要だった。
高い品質と親しみやすい名前、そして価格にこだわったオリスは、 60年代の最盛期には年間約120万本の時計を製作し、スイス三大ブランドの一角となる。しかし70年代に入ると一転、クオーツショックで打撃を受け、存続の危機に陥る。そこで活躍したのが、現会長であるウーリック・W・エルゾックだ。
彼は、機械式時計への興味が再燃している波を察知し、機械式時計だけをつくることを決断する。それが結果として、現代の〝オリスの強み〞となった。コストを抑えつつ良質な機械式時計をつくるためには、針やケース、ダイヤルなどを製作する良質なサプライヤーと関係を深めることが大切だが、それは大胆なアイデアを素早くカタチにすることにもつながる。
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たとえば「プロパイロット アルティメーター」のカーボンケースは、チューリッヒのハイテク企業9T研究所と共同開発した。また「プロパイロットX カーミットエディション」は鮮やかなグリーンが特徴だが、この絶妙な色はダイヤルメーカーに依頼。
そして自社開発のキャリバー400は、理想と考えるスペックとして、耐磁性、5日間パワーリザーブ、10年保証を備えるが、これもパートナー企業に製作を依頼する。適材適所で仕事を振り分け、良質で手の届きやすい時計をつくるのだ。
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![oris07_01 400 7778 7157-Set - ProPilot X Kermit Edition_Original_16864.jpg](/uploads/ea1b9191db3825a20337b98d26cd8f695d0561f2.jpg)
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本社1階に新設されたショップでは時計やグッズを購入でき、カフェスペースの奥にあるメンテナンス工房も見学できる。ここをブランドとユーザーをつなぐためのオープンな場としているのも面白い。
オリスは良質な時計を通じて、豊かな時間を提供してきた。同時に、ユーザーフレンドリーであり続けたいとも考えている。そんな真摯な姿勢が、いまも創業の地に受け継がれている。
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![DMA-oris04_Open_House_A6400496-HDR.jpg](/uploads/DMA-oris04_Open_House_A6400496-HDR.jpg)
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問い合わせ先/オリスジャパン TEL:03-6260-6876
www.oris.ch