昨年に創業190周年を迎えたスイスの名門時計ブランド、ロンジン。時計史に刻まれてきたその偉業は、いまも脈々と受け継がれている。
ロンジンの腕時計が内に宿す「歴史の正統性」は、筆舌に尽くしがたい魅力を放つ。復刻でもリデザインでもない新作がロングセラーのような風格を纏うのは、ロンジンならではの特徴である。時計づくりにおいて長年培ってきた技術と哲学、そして情熱を惜しみなく注いだ創業190周年記念モデルは、その好例と言えるだろう。

「ロンジン マスターコレクション190周年記念モデル」/創立190周年を祝した記念モデルで、ロンジン自身が過去に製造した懐中時計やヘリテージピースからデザインの着想を得ている。サンドブラストで仕上げたシルバーカラー文字盤上の数字は、直接彫り込まれたエングレービング仕様。ストラップも植物タンニン鞣しのバローロ仕上げと、本物のスイス高級時計のコードを守った特別な逸品だ。一方でシリコン製ヒゲゼンマイを採用するなど、最新のテクノロジーを装備している。自動巻き、SSケース、ケース径40㎜、パワーリザーブ約72時間、シースルーバック、アリゲーターストラップ、3気圧防水。¥342,100
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ロンジンの創業は1832年。スイス・サンティミエを拠点に、67年には自社工場を建設。時計職人をひとつ屋根の下に集め、高品質な生産体制を確立してきた。同時に、時計史に燦然と刻まれる革新的な技術を次々と発明し、数多の偉業を成してきた。
そのひとつに、パイロットウォッチのつくり手としての名声が挙げられる。世界初のノンストップ太平洋横断飛行に成功したミス・ビードル号には、ロンジン製の計器が装備されていた。パイロットウォッチの華ともいえる機構がフライバック・クロノグラフだが、初めて特許を取得したのはロンジンだ。



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計測のリセットとリスタートを同時に叶えるこの機構は、1935年に申請、翌36年に承認された。タイムゾーンを超えるフライトに欠かせないGMT機能も、ロンジンは1908年にポケットウォッチで開発に成功し、25年には腕時計に搭載した。ともに航空黎明期を支えた革新的な技術だ。
時計史を彩る数々のマイルストーンを、誰かの真似ではなく、自らの歴史の中にルーツをもつ。ロンジンにとって、ヘリテージはデザインのエッセンスではない。それはロンジンが果たしてきた、誰も代わることができない役割の記憶なのである。

左:「ロンジン スピリット フライバック」/フライバック・クロノグラフ搭載のロンジンの初期モデルの記録は1925年に遡り、36年には世界初の特許を登録。時計や航空機の計器において、名だたる飛行士たちから絶大な信頼を得てきたロンジンの伝統を証明するモデル。最新のシリコン製ヒゲゼンマイを装備し、COSCクロノメーター認証を取得。自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径42㎜、パワーリザーブ約68時間、シースルーバック、10気圧防水。¥656,700
右:「ロンジン スピリット ズールー タイム」/UTC(協定世界時)を意味する航空・軍事用語 「ズールー タイム」を名に冠し、24時間表示を装備する。このモデルのルーツは、1908年にロンジンが懐中時計として開発して11年に特許申請、25年に腕時計として製造した2タイムゾーン表示ウォッチだ。COSC認定の高精度を誇り、ストラップの付け替えも容易に可能。自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径42㎜、パワーリザーブ約72時間、10気圧防水。¥453,200
問い合わせ先/ロンジン TEL:03-6254-7350
www.longines.jp