イギリスの5大バレエ団の一つである、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団が、ロック・バンド、ブラック・サバスの音楽で構成されたバレエを9月に上演する。ヘビメタの開祖とも呼ばれる大御所バンドの名曲をバレエと融合させた奇抜な試みで、バレエ・ファンのみならずメタル・ファンの期待も高まっている。
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メタルとバレエの融合 由緒あるバレエ団の挑戦
ガーディアン紙によれば、「世界初のヘビー・メタル・ダンス体験」と銘打たれた公演は、3幕構成。ブラック・サバスの名曲、「Paranoid(パラノイド)」、「Iron Man (アイアン・マン)」、「War Pigs(ウォー・ピッグス)」を含む8曲を、ロイヤル・バレエ団のオーケストラ用に編曲して使用するという。その他にも、バンドの音楽にインスパイアされた新たな楽曲も組み込まれるということだ。
ブラック・サバスは、ボーカルのオジー・オズボーン、ギタリストのトニー・アイオミ、ベースのギーザ―・バトラー、ドラムスのビル・ワードによって1968年にバーミンガムで結成された。オカルトやホラーに影響を受けた世界観を取り入れ、ダークかつヘビーな音でファンを魅了し、ヘビーメタルの元祖とも言われている。メンバー交代を繰り返しつつも第一線で活躍し続け、世界中のバンドに、多大な影響を与えた。2017年に解散している。
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ポイントは地元出身 想像できないコラボこそ面白い!
バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の芸術監督は、2020年からキューバ―のバレエ界のスター、カルロス・アコスタ氏が務めている。バレエをロック・ミュージックに合わせるという試みはこれまでもあったが、アコスタ氏の就任以来の目標は、踊り手とテーマの両方において、地元バーミンガムを反映することだという。ブラック・サバスは、バーミンガム最大の輸出品であり、地元生まれの最も有名で最も悪名高い文化的存在だとアコスタ氏は説明。多くの人があり得ないと思うもの同士のコラボレーションだからこそ、このアイディアに引きつけられたとしている。
ブラック・サバスのオリジナル・メンバーであるトニー・アイオミは、スカイ・ニュースのインタビューで、アコスタ氏のアプローチが気に入ったと話している。自分が信じることをやってみるというのはブラック・サバスの精神に通じるとし、人はもっと枠からはみ出すことが必要だと付け加えた。
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観客の半分以上はメタラー! バレエ鑑賞の常識を変える公演に?
アコスタ氏によれば、チケットの約68%は、ヘビーメタルのファンによって購入されたということだ。
ヘビーメタルと言えば、決してお行儀がいいとは言えない印象がある。ブラック・サバスのフロントマンとして活躍したオジー・オズボーンは、コウモリの頭をかじったり、アリの行列を鼻から吸い上げたりと悪名も高かっただけに、ファンたちの奔放さも気になるところだ。
トニー・アイオミは、「サバス・ファンのことだから、立ち上がって演奏に合わせ歌い出しそうだ」と警告したそうだが、アコスタ氏は「それは素晴らしい。どうなるかはもうすぐ分かるね」と返したという。
『ブラック・サバス-ザ・バレエ』は、9月23日から9月30日までバーミンガムで、さらに10月18日から21日までは、ロンドンでも上演される。
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