「犬そっくりだが顔はない…」シュールな“ロボット犬”が6階建てビル倒壊現場で被害者を捜索

  • 文:R.Mitsubori
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先日、ニューヨーク州ローワー・マンハッタンで屋上駐車場を有する6階建てビルが突如崩落するという事故が発生。1名が亡くなり複数の負傷者が出る惨事となったが、この時、消防のレスキューと一緒に活躍した、ある「動物」に注目が集まった。

ボディはダルメシアンそっくりながら顔はない…というかなりシュールなフォルムだが、2022年にニューヨーク消防局(FDNY)が導入した優秀ロボット犬だ。ボストン・ダイナミクスが製造したロボット犬“Spot”は2021年にニューヨーク市警に採用されたものの、「見た目が不気味」などとニューヨーク市民から大不評だったため、一度は失業。その後、災害現場での活躍を期待され、FDNYが2台(2頭?)を引き取った。

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人間にとって危険な現場で活躍

ニューヨーク・タイムズ紙によると、このロボット犬は1頭約7万5000ドル。センサーやカメラを搭載しており、人間が遠隔操作によって建物倒壊の可能性や一酸化炭素などの有毒ガス濃度を測定することが可能だ。彼らの任務は火災発生現場などで安全性にかかわるデータ収集を行い、消防隊に提供すること。危険な現場に駆け付ける消防士ができるだけ安全に活動できるよう、消火や救出活動を支援する。

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ビル倒壊現場で被害者捜索に貢献

今回、ロボット犬が出動したのはニューヨーク州ローワー・マンハッタンで起きたビル倒壊現場。いつもと変わらない火曜日の午後、突如6階建てのビルが倒壊した。はっきりとした原因は今後明らかになると思われるが、CBCNewsでは「事後直後の捜査では老朽化した建物が、屋上デッキに駐車されていた車の重量に耐えかねて倒壊したと見られている」と報じている。

FDNYのJohn Esposito消防作戦部長は、今回の任務について「倒壊が続く建物内での作業は非常に危険だった」とコメントしている。そのため、ロボット犬とドローンを駆使しての救出作業を決断。ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は「建物の中に入れるロボット犬がいてくれたこと」について言及し、「ドローンと併用することで、建物内部の様子を正確に把握しながら被害者捜索に全力を尽くせる」と話している。

かつて市民から反対の声が上がったことからロボット犬を手放したニューヨーク市警も今年4月、"Spot“の再導入を発表。人質事件などの危険な現場に臨場することになる予定だ。

日本ではロボット犬というと家庭でペットのように可愛がるイメージが強いが、アメリカでは“Spot”以外にもフロリダ・アトランティック大学でAIとディープラーニングを駆使した犬型の人命救助用ロボット“Astro”が開発されたほか、メキシコとの国境を警備するロボット犬の研究が進められるなど、ロボット犬が活躍する場所が着々と増えている。日本の災害現場や事件現場で、シュールでスタイリッシュなロボット犬が活躍する日も近いかもしれない。

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【画像・画像】「犬そっくりだが顔はない…」シュールなロボット犬が災害現場で大活躍

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