柵を軽々飛び越えて…ペットのエミューの脱走が、警察と住民を巻き込む大騒ぎに

  • 文:山川真智子
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米テネシー州の小都市ハリマンで、ペットとして農場で飼われていたエミューが柵を越えて逃げ出した。飼い主の心配をよそに、エミューは市内で散策をエンジョイ。静かな街にパトカー4台が出動する非常事態となったが、最後は無事捕獲された。大捕り物の様子はソーシャルメディアで拡散され、突然の騒動にも関わらず、住民に笑顔と一体感をもたらす結果となった。

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逃げるのが本能ですから…農場から単独大脱走

街中を心配させた大捕り物の主役となったのは、ソフトウェア・プログラマーのハリー・マッキニーさんのペットのエミュー、「ミームー(雄)」だ。米ABCによれば、5年前に地元の孵化場でミームーの孵化を手伝ったことがきっかけで、マッキニーさんは自身の持つ農場で、ミームーを他の動物と一緒に飼育してきたという。

ところが4月12日にミームーは農場の約2.1メートルの柵を飛び越え逃げてしまった。近くで木を伐採する音に怯えたのではないかと、マッキニーさんは話している。エミューには逃走本能があり、ミームーはそのまま走って逃げることを選んだようだという。

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ソーシャルメディアも捜索に貢献 警察の超低速追跡で無事保護

デイリー・メール紙によれば、マッキニーさんは、近隣住民とともに近くを探したがミームーは見つからず、フェイスブックで情報を求めたという。すると目撃情報がコメントや動画の形で、見知らぬ人々から大量に寄せられた。情報は警察にも伝えられ、パトカー4台が出動して行方を追うことになった。

警察の追跡の様子は、地元に住むスティーブン・マクダニエルさんによってソーシャルメディアに投稿され拡散した。マクダニエルさんは、愛犬を載せて車で出かけようとしていたところ、騒ぎに気付いたという。近くまで行ってみると、4台のパトカーが時速約5キロでエミューの後ろをゆっくりと走っていたため、携帯を取り出して撮影したということだ。

無邪気に進むミームーを低速で追うパトカー

地元ニュースの報道

結局、生垣に囲まれた家の近くまでミームーがパトカーに追い詰められたところで、追跡は終了。マッキニーさんが安全な場所に呼び戻すため口笛を吹くと、「お父さんだ!」と気が付いた様子で、ミームーは近づいてきたという。マッキニーさんがミームーに大きなハグをして保護したところで、計7時間、約32キロに及んだ捜索は一件落着となった。

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事件後、何事もなかったかのように、お父さんと写真に納まるミームー

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連れ戻したとは言え油断禁物…お騒がせエミューに市民はほっこり 

農場に戻ったミームーは、パートナーのミーミーとの間に出来た卵の世話のために、すぐに巣に戻ったということだ。もっともUPIによれば、マッキニーさんが農場の柵をさらに高くしたにも関わらず、ミームーは翌日も柵を飛び越えてしまったという。この時は1時間後に、マッキニーさんが妻と2人で捕獲したということだ。さらなる脱走防止のため、現在の柵は高さ約2.75メートルになっている。

映像拡散の効果もあってか、今回の大捕り物には多くの住民が笑いと喜びで反応。ハリマンのバロン・タップ警察署長は、地域が一体となった「楽しいひととき」がもたらされる結果になったとした。テネシー州では、銃乱射事件など暗く悲しいニュースが多いという。大捕り物を撮影したマクダニエルさんは、笑顔になれる日が数日あることは、コミュニティとして素晴らしいことだと述べた。

大騒動でも悪びれないミームーが、住民たちに笑顔をもたらした

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【動画・画像】柵を軽々飛び越えて…ペットのエミューの脱走が、警察と住民を巻き込む大騒ぎに

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