回顧録への返答なのに…しゃべり過ぎのヘンリー王子をジョークにした広告が禁止に

  • 文:山川真智子
Share:

「沈黙は金なりだよ、ハリー」 。こんなキャッチコピーを冠した「大人のおもちゃ」の広告が、イギリスの鉄道駅に2月に出された。回顧録『SPARE』で内輪話を赤裸々に語り過ぎたヘンリー王子をジョークにしたものだったが、最近になって子どもに悪影響があるという理由で、広告業界の自主規制機関から公開を禁止すべきという見解が示された。これに対し、「行き過ぎだ」「忖度では」という声も聞かれる。

---fadeinPager---

タイムリーで秀逸なジョーク!見た人々からは好評

問題の広告は、セクシャルウェルネス製品のブランド、ラブハニーが、ロンドン南西部のクラパムジャンクション駅に電子広告として出したものだ。同社の販売する「猿ぐつわ」の写真の下に、「沈黙は金なりだよ、ハリー」というキャッチコピーが大きく書かれており、「 “スペア”の猿ぐつわもオンラインで購入可能」という一文も加えられていた。

ラブハニーがこの広告写真をツイートしたところ、「うまいこと言うね!」「爆笑!」「本人に送ってあげて」など、ほとんどの人がジョークとして受け取っていた。

イギリス人らしい?風刺の効いた広告

---fadeinPager---

 クラパムジャンクション駅構内の様子。大きな電子広告が常に出ているよう

---fadeinPager---

不快かつ子どもに悪影響 1件の苦情で公開禁止に…

ところが、子どもたちが目にする可能性のある場所にこのような広告を掲示するのは不快で不適切ではないか、という苦情が広告基準局(ASA)に寄せられたという。インデペンデント紙によれば、苦情はたった1件だった。

ASAは、猿ぐつわは相手が話せないように口に入れる性的な玩具だが、この広告が広範囲な、または深刻な不快感を与える可能性は低いとしていた。しかし、一部の人々にとっては不快であるため、無責任にターゲットを定めた広告だと結論づけ、禁止すべきという判断になったという。

ラブハニー側は、この広告は性的な言及を含む、軽率な暴露話の数々を詳細に述べた、ヘンリー王子の回想録への反応であったと主張している。また、広告が最初に公開されたとき、「内輪の話をすべて世間と共有する必要があるわけではない」というユーモアのつもりで、あくまでも笑いを狙ったものだと説明していた。

子どもへの影響に無責任という指摘に対しても、広告には特に明確な性的表現がなく、子どもたちが猿ぐつわを性的玩具として認識することはないと反論している。

実はラブハニーはイギリスの輸出に貢献したとし、女王から賞を贈られた優良企業だという。ヘンリー王子とメーガン妃の結婚の際に、指輪の大人のおもちゃを発売していたが、おとがめなしだった

---fadeinPager---

ユーモアもジョークも言えなくなる…行き過ぎた対応に批判

イギリスの法廷弁護士で、BlackBeltBarristerの名で動画を投稿するユーチューバーのダニエル・J・シェンスミス氏は、今回の広告は気の利いたユーモアであり冴えたジョークだとし、不快という見解に異を唱える。そもそも1人が苦情を申し立てただけで禁止という判断に首を傾げ、子どもへの影響を恐れてすべての広告や番組などを禁止するのが正しい答えなのかと、視聴者に問うている。

 

専門家であるBlackBeltBarristerも広告の意図を擁護している

 コメント欄には、「子どもたちはこの広告よりひどいものをテレビで見ている」「ユーモアを理解しない人っているよね」「この基準なら酒の広告は全部アウト」など、広告禁止に否定的な意見が多数あった。

なかには、「苦情を言った1人、みんな誰か分かってると思う」「誰か力のある人が苦情いったかな」などの意味深発言もいくつかあり、コメント欄は犯人捜しで盛り上がっていた。

関連記事

---fadeinPager---

【画像】回顧録への返答なのに…しゃべり過ぎのヘンリー王子をジョークにした広告が禁止に

---fadeinPager---

タイムリーで秀逸なジョーク!見た人々からは好評

イギリス人らしい?風刺の効いた広告

---fadeinPager---

 クラパムジャンクション駅構内の様子。大きな電子広告が常に出ているよう

---fadeinPager---

不快かつ子どもに悪影響 1件の苦情で公開禁止に…

実はラブハニーはイギリスの輸出に貢献したとし、女王から賞を贈られた優良企業だという。ヘンリー王子とメーガン妃の結婚の際に、指輪の大人のおもちゃを発売していたが、おとがめなしだった

---fadeinPager---

ユーモアもジョークも言えなくなる…行き過ぎた対応に批判

 

専門家であるBlackBeltBarristerも広告の意図を擁護している