ケースの美観を損ねないシングルプッシュ式クロノグラフ 

2021年に誕生したクッションケースを特長とするスポーティな個性派コレクション「エルメスH08（エイチオーエイト）」から初のクロノグラフが登場した。９時位置に30分積算計を備えた２カウンター（３時位置は通常秒針）だが、リューズトップのボタンを押してスタート、ストップ、リセットを繰り返すシングルプッシュ方式。通常のクロノグラフのようにプッシャーが独立していないため、ケースの滑らかな美観が維持されている。

ケースもグラフェンパウダーでコーティングしたカーボンファイバー・コンポジットを採用。堅牢性と軽量性を兼ね備えた新たな複合素材であり、クッションケースと丸型ダイヤルを中継するベゼルは面取り部分にミラーポリッシュ仕上げを施したチタン製なので、異なった質感が立体的な印象を与える。その内側のダイヤルのベースカラーはブラックだが、アラビア数字のインデックスをホワイトにして視認性を高めているだけでなく、通常秒針やクロノグラフ関連指針などのオレンジがアクセントになっており、同色のラバーストラップとのコンビネーションも秀逸。都会的で洒脱なセンスを感じさせるスポーツモデルだ。

「H08」の３針モデルも新しい複合素材をケースに採用。アルミとスレートパウダーをコーティングした合成グラスファイバーメッシュ製なので、シルバーの複雑な陰影が見られる。セラミック製のベゼルとリューズが、この独特の質感を際立たせている。

グレイン仕上げを施したセメント色のダイヤルの周囲と分目盛り、秒針にはイエロー、グリーン、ブルー、オレンジのカラーを採用。同色の「編み込み」デザインのラバーストラップを組み合わせて、スポーティでカラフルなモデルに仕上がっている。

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非対称のラグが特徴的な丸型モデル「アルソー」では、70個（0.805カラット）のダイヤモンドが取り巻くダイヤルに、アヴェンチュリン、マザーオブパール、アラゴナイト、オパールで天空の宇宙を表現した新作が登場した。アヴェンチュリンが半透明になるまで磨き上げ、虹色の輝きがオーロラを思わせるタヒチ産のマザーオブパールと組み合わせるなど、熟練職人の卓越した手技によって立体感と深みが生み出されている。10時半の位置にはムーンフェイズを搭載し、日々変化していく月の満ち欠けを楽しめる。

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