「わりと快適」家賃高騰の英で、ゴミ回収箱に住む男性が登場…室内は広々

  • 文:青葉やまと
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家賃が高騰するロンドンで、超小型住宅の「タイニーハウス」に注目が集まっている。タイニーハウスはもともと、90年代のアメリカで生まれた概念だ。日本でいうワンルームマンション程度の小さな空間を家とし、本当に大切なモノだけに囲まれて住むというコンセプトが静かなブームを呼んでいる。

愛好者たちは、小屋からトレーラーハウスまでさまざまな空間を柔軟に住居にし、好きな環境で柔軟に暮らすことで人生の質を追求しているようだ。

そんななかロンドンでは、男性アーティストのハリソン・マーシャルさんが、究極のタイニーハウスを完成させた。ゴミ収集用のコンテナを上に住居を建築するという奇策だ。2ヶ月ほど暮らしたところ、予想外に快適なのだという。

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奇抜なデザイン、まるでコンテナから生えてきたかのよう

マーシャルさんが「スキップハウス」と呼ぶこの住宅は、1階部分がゴミ用コンテナそのものだ。イギリスで「スキップ」は、廃材やリサイクル資源などの回収コンテナを指す。

年季の入った黄色のコンテナをベースとし、そこから斜めにせり出すような形で扇状の部屋を建築した。草原に放置されたコンテナから家が「生えてきた」ようでもあり、なんとも目を引く光景だ。

極小住宅ながら、内部は木のぬくもりを生かしたモダンなデザインとなっており、居心地は悪くなさそうだ。TikTokで公開されている動画によると、コンテナ部分と木の増築部分をあわせて、1階となっているようだ。屈むことなくギリギリ立てるくらいの高さがある。室内には棚や観葉植物などが設けられており、ぜいたくを言わなければ問題なく暮らせそうだ。

扇形の屋根の部分は、ロフト形式のベッドルームになっている。横幅こそシングルサイズのマットレスがギリギリ入るほどの狭さだが、丸みを帯びた天井のおかげで圧迫感は感じられない。部屋中にアートや電飾などでささやかな装飾が施されており、たしかに「家」と呼べる温かい雰囲気を醸し出している。

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各サイトが注目、「世界で最も奇妙なタイニーハウス」

場所はテムズ川に架かる名所・タワーブリッジの近くであり、絶好のロケーションだ。マーシャルさんは今年1月に「入居」し、1年間はこの家に住み続ける計画なのだという。

自動車・住宅ニュースなどを報じる東欧のオート・エボリューションは、「廃棄物コンテナの中に本物の家がある」「これは驚きだ」と報じている。「世界で最も奇妙なタイニーハウス」がもしあれば、ベストに入選するだろうとの評価だ。

およそ家のイメージとはかけ離れたものが住居になったが、これはまさにマーシャルさんのねらい通りだったようだ。米インサイダーに対し、「一般的に家と捉えられていないもの、むしろその対極にあるコンテナやゴミ溜めを、比較的快適で居心地の良いものに近づけることができました」と自信を示している。

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電気と水は? マーシャルさんが語る苦労

空き地のただ中に立つスキップハウスの弱点は、電気や水道などのライフラインだ。完成から1ヶ月ほどのあいだ、マーシャルさんは電気をまったく使わずに住んでいたのだという。そんなスキップハウスにも、ついに電線が引かれることになった。

工事前にマーシャルさんは、「とうとう電気が来ることになるので、ついに暖房に当たれますね。とくに夜はあの中はとても冷えますから」と笑顔で語り、文明の到来を心待ちにしていた。通電後は小型の電気コンロも導入し、ミニマムな家の中で調理もこなしたいと意気込んでいる。

残念ながら、家の機能をすべて詰め込むことは叶わなかったようで、水回りは今でも外部に頼っているという。シャワーはさすがに邸内に入らないため、通っているジムで済ませて凌いでいるという。

幸運にも、スキップハウスのアイデアに共感したレンタル会社が、仮設トイレを無料で提供すると申し出てくれた。スキップハウスから少し離れたところに設置してあり、臭いに悩まされることも少なそうだ。

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ワンルームで22万円…家賃高騰で「唯一の選択肢」だった

マーシャルさんはこの試みに、物価上昇への抗議のメッセージを込めているようだ。ロンドンに移住しようとしたが、手頃な物件はみな5分と経たずに売り切れてしまう状況に腰を抜かしたという。家賃高騰のロンドンで、「ここ(スキップハウス)に住むことは唯一の選択肢でした」と語る。

ロンドン中心部のマンションの家賃は、ワンルームでも平均1400ポンド(約22万5000円)と高額だ。代わりに4000ポンド(約64万円)ほどでこの小さな家を建て、住むことにしたのだという。土地は厚意で使わせてもらっているようだが、単純計算で3ヶ月分未満の家賃で1年暮らせるなら、狭小空間も苦にならないといったところだろうか。

ロンドンでは昨今、家賃高騰とあわせ、パンデミックの影響で若くしてホームレスになる人々が増えている。少しの空間で快適に過ごせることを実証したスキップハウスは、こうした問題へのヒントになるのではないこと述べる視聴者もいる。

だれも考えつかなかったような家に住んだマーシャルさんは、家賃をずいぶんと節約できただけでなく、ロンドンに山積するさまざまな問題への議論を高める火付け役ともなったようだ。

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【画像】「わりと快適」家賃高騰の英で、ゴミ回収箱に住む男性が登場…室内は広々

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