ダイバーズウォッチは60分の目盛りを備えた一方向回転ベゼルが特徴的な装備であり、これを分針に合わせることで潜水時間などを計測する。このため60分間が最長なのだが、ブランパンではこの限界を打破。世界で初めて最長３時間の測定を可能にしたダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」を発表した。30分おきにアラビア数字を表記した回転ベゼルと、３時間でダイヤルを一周する特別な針の組み合わせによって長時間測定を実現している。

３時間はオーバースペックと感じられるかもしれないが、昔に比べてスキューバダイビング(空気潜水)はかなり進化しており、潜水時間が長くなっているだけでなく、近年は排出した呼気を再利用するリブリーザーダイビングが普及しつつある。気泡を出さないことも特長だが、この方法であれば潜水時間は格段に長くなり、３時間以上も可能とされている。「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」はもちろんプロフェッショナルな大深度長時間の飽和潜水に完全対応。10時位置にヘリウム排出バルブも設置しているが、空気潜水のトレンド変化をいち早く取り入れた新世代のダイバーズモデルと位置づけられるのではないだろうか。

---fadeinPager---

光の97%を吸収するブラックダイヤルを採用

この新作を象徴する３時間計測ベゼルは、従来のサファイアクリスタルではなくブラックセラミック製であり、ダイヤルに向けて急角度で傾斜している。それによって視覚的に差別化されたダイヤルには、新しい仕上げであるアブソリュートブラックを施しており、光の約97％を吸収するという。この漆黒のダイヤルに植字されたアワーマーカーも立体的で視認性が高い。時分針ともに鮮やかなオレンジ色の蓄光式蛍光が塗布されており、明かりの乏しい海中ではブルーに発光する。その一方で、潜水時間を計測する特別な針の先端部と回転ベゼルの目盛りはホワイトであり、海中ではグリーンに発光することで機能を分かり安く明瞭に区別している。

---fadeinPager---

軽量なチタンケースや機能美も魅力

ケースは直径47㎜とさすがにラージサイズだが、グレード23チタンを採用。グレードS ELIとも呼ばれる最高純度のチタンであり、極めて軽量なので手首に負担を感じさせない。ストラップも、ミドルケースから突き出た一体型ラグにビス留めするブランパン初のスタイルになっており、快適な装着感が得られる。

ブランパンは1953年に世界初のモダンダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」を発表。今回の新作はその70周年を祝した地域限定の特別モデルに次ぐ第２弾というだけでなく、ブランパンが創設を支援した巨大シュモクザメの生態を研究する｢ゴンベッサ｣プロジェクト10周年を記念している。これまでになかった長時間計測を可能にすることで、新しい時代を拓く第２世代のモダンダイバーズであり、フォルムやデザインも細部まで研ぎ澄まされている。ダイビングに縁のない人も惹きつけてしまう機能美も見逃せない魅力といえるだろう。簡単な操作で最長３時間まで計測できる回転ベゼルも、ダイビングに限らずさまざまな経過時間に応用できるはずだ。

---fadeinPager---