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高級機械式時計のダイヤルは年々カラフルになっており、鮮烈なレッドも今では珍しくないが、逆にケースのカラー化を積極的に進めてきたのがウブロだ。「The Art of Fusion(異なる素材やアイデアの融合)」を旗印として多彩な新素材を開発。新たなカラーとテクスチュアを備えた革新的なモデルを発表してきたが、近年はダイヤモンドに次ぐ高硬度から時計の風防にも使われているサファイアクリスタルにも注力。2016年には複雑な形状のケースやベゼルに導入して無色透明なフォルムを実現。翌年にはブルーとレッドなどを追加しており、高級時計にポップでファッショナブルなイメージを持ち込むことに成功している。
そんなウブロによる2023年新作が「ビッグ・バン トゥールビヨン オートマティック イエローネオン SAXEM」だ。まるでケースそのものが発光しているような明るいイエローケースに思わず目を奪われるが、ダイヤルの天地には自動巻きのマイクロローターと複雑機構のトゥールビヨンを同じ直径で対称的に配置。透明感の高い華やかな外観と、機械式メカのダイナミズムを両立させた魅力的なモデルに仕上がっている。

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サファイアクリスタルを超える新素材
ただし、素材はこれまでのサファイアクリスタルではない。ウブロでは新たな色彩に取り組んできたが、人工衛星の技術分野で開発された「SAXEM(サクセム)」と呼ばれる新素材に着目した。これは「酸化アルミニウムと希土類鉱物のサファイア」を意味する英文の頭文字であり、ごく簡単に説明すれば、サファイアクリスタル、つまり結晶化サファイアの主成分である酸化アルミニウムにツリウムやホルミウムなどのレアアースとクロムを融合した合金素材だ。サファイアを超える輝きと耐久性を備えており、2019年にはこの新素材によるエメラルドグリーンの「MP-11」を発表。翌年にはトノー型の「スピリット オブ ビッグ・バン」にも採用しているが、今回の「イエローネオン」は3年にも及ぶ研究開発期間が必要だったという。
立方晶系の結晶構造であることから、どんな角度からケースを見入っても、色合いや濃淡に変わりはない。ポリッシュ仕上げのクリアなイエローケースに、ベゼルのH型ビスやリューズのチタンがメタリックにコントラストしており、まさに異素材の劇的な共演と表現できるかもしれない。

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ブランドの実力を結集したファンタスティックな傑作
ムーブメントは2021年に登場した自社開発・製造の自動巻き「キャリバーHUB6035」。通常は裏側にあるマイクロローターを前面の12時位置にレイアウト。これと同じ直径のトゥールビヨン機構を対称的な6時位置にセットしており、アラビア数字のインデックスと合わせて、整然としたシンメトリックな美観を構成している。スケルトンを前提としてムーブメント全体の無駄を削ぎ落としており、時計の心臓部であるトゥールビヨンが宙に浮いているかのように錯覚してしまう。
そのキャリッジがテンプの往復振動とともに1分間に1回転する精緻で複雑な動きが、ネオンイエローに包まれた独特の世界に生命を吹き込む。大胆な発想と高度な研究開発力が生み出した、ファンタスティックな傑作といえるのではないだろうか。

問い合わせ先/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL:03-5635-7055
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