角野卓造が考える「道」の極め方とは?「大事なのは作法を守ることではなく、いかに楽しむか」

  • 文:小久保敦郎(サグレス)

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映画『おくりびと』の脚本を手がけた、小山薫堂プロデュース・脚本の『湯道』が2月23日より公開予定だ。Pen最新号「湯道へ、ようこそ」からキャストの角野卓造のインタビュー記事を抜粋してお送りする。

 

放送作家の小山薫堂が提唱する「湯道」をご存じだろうか? 湯を尊び、湯を楽しみ、日本人が愛するお風呂について、その精神や様式を追求するという新たな“道”だ。この「湯道」が、生田斗真主演で映画になった。2月23日から全国で公開される。

1月27日(金)発売のPen最新号では、生田斗真をはじめとした出演者のインタビューや、作中で登場する聖地の数々を紹介しながら、本作の魅力に迫る。さらに、時代を超えて愛される名湯や、こだわりの詰まった湯道具も掲載。湯と「湯道」について大特集! 「湯への感謝」と「小さな幸せ」に、ぜひ浸ってほしい。

Pen最新号「湯道へ、ようこそ」
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角野卓造/二之湯薫明 役
お気に入りの湯 ▶ ホテルオークラ京都(京都)
1948年、東京都生まれ。70年に文学座附属演劇研究所入所。72年『飢餓海峡』での初舞台を皮切りに、ドラマや映画でも幅広く活躍。代表作に『渡る世間は鬼ばかり』ほか。2008年度の紫綬褒章を受章。22年に文学座代表に就任。

映画では茶道や華道と同様、日本古来の伝統として湯道が受け継がれている設定。その十六代家元・二之湯薫明を演ずるのが、紫綬褒章俳優の角野卓造さん。人生をより豊かにする「湯の道」を説く役どころだ。そもそも道とは何なのか、役づくりに際し自分の中で整理をしてから臨んだという。

「どの道にも作法があります。大事なのは作法を守ることではなく、いかに楽しむか。制約がないところに自由はないといいますが、つまりルールがあるほうが自由になれる。そう考えて楽しむのが、ひとつの道の極め方かと」

普段は就寝前ではなく、出かける前に入浴するのが角野さんのルーティーン。だが年に60日は滞在するという京都では、一日3回お風呂に入ることも。

「ホテルオークラ京都のバスルームがいいんです。自宅では身を清める意識だけれど、湯船にゆったり身を沈めてリラックスした時間を過ごしたくなる。高性能のバスがある部屋は、少しお金を出してでも泊まる価値がありますね」

のんびり湯船に浸かりながら、改めて役者人生を振り返る。

「苦しい稽古を積み、舞台の幕が開く。お客様の反応を見て、苦労が報われる。ある道を通らないと、その喜びには到達できない。だから、道は必要なものなのかもしれません」

『湯道』

企画・脚本/小山薫堂
監督/鈴木雅之
出演/生田斗真、濱田岳、橋本環奈ほか 2023年 日本映画
126分 2月23日より全国公開。
https://yudo-movie.jp

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