1988年に生まれ、グラフィックデザイナーとして美術書の装幀などを手がけながら、現代美術家としても活動を続ける宇平剛史(うひら・ごうし)。その個展「事物の生(英題:Lives of Things)」が、東京・中目黒のN&A Art SITEにて開かれる。
宇平は以前より事物自体に備わる固有の「生」に関心を持ち、表皮やテクスチャーとの触覚的な関係の中で制作を続けてきた。本展では繊細で複雑な人の皮膚の肌理(きめ)をグレースケール写真で表現した連作『Skin』をはじめ、真っ白な紙のテクスチャーと直に対峙する新作の『White Papers』などが公開される。
またあわせて展示される新作の『Optical Glass』 とは、光学ガラスの製造過程で偶発的に生成されたガラスの破片を用いた立体の作品だ。これは2021年に発表され、数千個のガラスの球体を用いた 『Glass Balls』に続くガラスをモチーフとしたもので、空間の中で身体や紙と呼応するように配置される。
2021年に横浜市民ギャラリーで個展「Unknown Skin」を開き、昨年には過去のアートワークとデザインワークで構成した初の作品集『Cosmos of Silence』を出版した宇平は、いま注目のデザイナー、そしてアーティストのひとりだ。
展示は3月3日より開催され、初日には作家も在廊を予定している。従来の事物への認識を揺さぶり、人間と事物との新たな関係性を探求する宇平の新たな創作を目に焼きつけたい。
『宇平剛史「事物の生」』
開催期間:2023年3月3日(金)〜3月17日(金)
開催場所:N&A Art SITE
東京都目黒区上目黒1丁目11-6
TEL:03-6261-6098
開館時間:12時30分~17時30分
休館日:日・祝
入場無料
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