シャネル銀座ビルディング内「シャネル・ネクサス・ホール」にて、写真家・安珠の展覧会『A girl philosophy -ある少女の哲学』が開催中だ。

学生の時にモデルとしてスカウトされて渡仏した安珠。以降、ヨーロッパを拠点に国際的なモデルとして活躍。ヨーロッパでモデルとして活躍していた頃から撮影活動をスタートし、『少女の行方』や『サーカスの少年』などの作品で物語性のある独特の世界観を表現してきた。帰国後、1990年に写真家へと転身。広告、雑誌連載、文筆、講演、審査員や映像監督まで、国内外で幅広く活動するほか、ライフワークとして子どもたちに写真を読み解く力を養う取り組みも行っている。

本展はその最新作約50点と映像、過去の作品を交えて構成されている。『不思議の国のアリス』や『青い鳥』といった誰もが知るさまざまな児童文学をモチーフに 、ある少女が目にし、その心に留めた出来事について内省を深めていく過程を写真で表現。目に見えないものを写し撮りたいと語る安珠の作品群が描き出すのは、不確かな現実に生きる少女が、真理を求め旅する夢幻の物語の世界である。

『オフィーリアをミレイはバスタブで描いた』　©Anju 　

写真展では、安珠がライフワークとして取り組んできた、「少年少女の内なる世界」を表現するシリーズの最新作を紹介。ぜひこの機会に安珠ワールドを体感してみてはいかがだろうか。