南アフリカの空を舞って急降下…トム・クルーズ式“ファンへのお礼”動画がまたしても命懸けだった

  • 文:中川真知子
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今回公開された動画。前回に引き続き空撮中だ。Top Gun: Maverick (2022) | Special Announcement From the Set of #MissionImpossible (Tom Cruise)-YouTube

今年は、トム・クルーズにとっても、私たちにとっても素晴らしい年だった。

『トップガン マーヴェリック』で見せたトムの体を張ったアクションは、VFX満載の昨今のハリウッド映画を吹き飛ばす勢いがあり、観客を圧倒させた。

筆者はオープニングを見ただけで感動のあまりに涙を流し、心のそこから「『トップガン マーヴェリック』をつくってくれてありがとう」とトムにお礼を言いたい気分になった。

だが、感謝をしているのは観客だけではない。トムも、作品を愛してサポートしてくれたファンに心からお礼が言いたかったらしい。

そして、それは南アフリカの空を舞うかたちで表現された。

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感謝を忘れない律儀なトム

「今は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 』と『PART TWO』の撮影で南アフリカの上空にいるよ。『トップガン マーヴェリック』を観に劇場に足を運んでくれて、支えてくれて本当にありがとう。お礼を言わずに年末を迎えるのが嫌だったんだ」

背後には、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』の脚本家であり監督のクリストファー・マカリーの姿が。もう撮影しないといけない、とトムを急かす。

トムは躊躇なく背中から体を風に乗せる。あまりにも自然で、どのタイミングでダイブしたのかわからないほどだ。

トムが「そろそろ仕事に戻らないと。撮影があるからね」とカメラマンに合図を送り、年末の挨拶とともに急降下していく。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』のどの部分かわからないが、内容がほんの少しだけ伺えるサービス精神旺盛でダイナミックな動画となっている。

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カメラマンも命懸け

この動画ではカメラマンの存在も感じられるので、普段は裏方で目立たないスタントカメラマンにも触れてみたいと思う。

上の動画でも1:30秒あたりからトムの体にカメラマンの影が映っているが、それはつまりカメラマンもトムに衝突しない距離を保ちながら一緒に飛んでいることを意味している。これだけでも十分危険な仕事だと理解できるだろう。

それに、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』で列車の上でアクションシーンを撮影していた時に、カメラマンが足を踏み外してしまうアクシデントもあったらしい。

トム・クルーズはすかさずカメラマンを掴んで引っ張り上げたし、カメラマンはハーネスをつけていたため、安全は確保されていたようだが現場スタッフは肝を冷やしたことだろう。

危険と隣り合わせのアクションをこなしつつお礼までしてくれたトム・クルーズとカメラマン。むしろ、定期的に想定外のアクションを見せてくれてこっちが「ありがとう」という気分だ。

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【動画】「南アフリカの空を舞いながら急降下…」トム・クルーズ式“ファンへのお礼”動画がまたしても命懸けだった

今回公開された動画。前回に引き続き空撮中だ。Top Gun: Maverick (2022) | Special Announcement From the Set of #MissionImpossible (Tom Cruise)-YouTube

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トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル』シリーズの“極限アクション”変遷をたどる【動画】

スクリーンショット 2022-09-14 17.44.02.png
Movieclips-YouTube

Apple TV+で配信開始になった『トップガン マーヴェリック』のGを感じる体当たり撮影も記憶に新しい。

そんなトムが、最新作『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』のプロモーション動画を公開した。

既に観た人もいるかもしれない。そして、ハーネスもつけずに飛行機の上で視聴者に向かって語りかけるトム・クルーズを見て疑問に思ったはずだ。「これは本当に本人がやっているのだろうか」と。

目を疑う光景だが、本人が実際にやっているものだ。そして、私たちは何度もトム・クルーズが極限のスタントをしているのを目にしている。もしかすると、「どうせCGでしょう」とスルーしている可能性もあるので、ここで改めてトム・クルーズのライフワークとも言える『ミッション:インポッシブル』シリーズのハイライトを紹介したいと思う。

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『ミッション・インポッシブル』(1996年)

まだまだ筋肉とデカい銃で殺しまくるのがもてはやされていた90年代に公開された『ミッション:インポッシブル』。公開当時は地味に感じたワイヤー宙吊りアクションだが、改めてみると鍛えられた体幹があってこその動きだというのがわかる。

トム・クルーズのアクション変遷はここから始まった。

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『M:I-2』(2000年)

オープニングのロッククライミングシーンが印象的な『M:I-2』。

ジョン・ウー監督のド派手なアクションがてんこ盛りだ。当時はVFXを多用する作品が量産されるようになっていたため、本作もCGを多用したのではないかと思われていた。

だから、実際にスタントを行っている舞台裏動画は、多くの人を驚かせた。何を隠そう、筆者も驚いたひとりだ。

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『M:I:III』(2006年)

シリーズの中では比較的地味な印象が残る本作。

見どころは、ダッシュしたトム・クルーズが爆風で吹き飛ばされて、車体に体を打ちつけられるシーンだ。

ガラスが割れて飛び散るのは後から付け加えられた。

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『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011年)

トム・クルーズは、ドバイにある超超高層ビル、ブルジュ・ハリファの外側をよじ登った。

このスタントは大々的に宣伝されていたため、この頃からトムはスタントダブル(代役)を使わない俳優として広く認知されるように。

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『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年)

5作目に当たる『ローグ・ネイション』は、オープニングのエアクラフトシーンに始まり、目玉のアクションが多い。

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潜水シーンでは6分間息を止めた。

途中で呼吸が苦しくなる演技があったが、撮影班はあれが演技なのかリアルなのか判断がつかなかったそうだ。

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潜水シーンの直後にカーチェイス。トム・クルーズはバイクと車の運転がセミプロ級。

トム・クルーズのノーヘル姿はトレードマークになりつつある(それが良いかどうかは別として)。

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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年)

公開前から大きな話題だったヘイロージャンプ。トム・クルーズのバケツリストのひとつだったらしい。

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なお、トム・クルーズはフォールアウトの撮影中に脚を骨折している。ヘイロージャンプの練習は、脚の骨折が治っていない状態で行われたのだ。

変遷を見ると、シリーズを重ねるごとに危険なアクションが増えているのが一目瞭然だ。と同時に、小型飛行機の上にからメッセージを送るくらい、トム・クルーズにとっては造作もないことだというのも理解してもらえたと思う。

だから、主人公であるイーサン・ハントのキャリアが終焉に向かう最新作『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』と『PART TWO』はよりダイナミックなアクションを見られるだろうと期待する。

とはいえ、彼が超人的な身体能力をもつからといって、いつまでも我々観客が危険なスタントを期待してはいけないだろう。

冒頭にも書いた通り、トムは「観客はフェイク(CG)と本物を見分けられる」と言ってリアルなスタントに挑んでいる。彼が純粋なアドレナリンジャンキーで、望んでやっているのなら良いかもしれないが、観客を喜ばせたいという気持ちが体を張るモチベーションの大半を占めるとしたら、どうだろう。万が一のことが起こった時、観客は後悔してしまいそうだ。そう考えるとどこかで立ち止まらなければならないように思う。

ただ、それは今ではない。すくなくとも2023年に公開される『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART TWO』までは……。

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【動画】トム・クルーズが『ミッション:インポッシブル』最新作PVで極限スタントを披露 シリーズのアクション変遷をたどる

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『ミッション・インポッシブル』(1996年)

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『M:I-2』(2000年)

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『M:I:III』(2006年)

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『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011年)

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『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年)

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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年)

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