「英国への反逆罪」ハリー王子夫妻のNetflixドキュメンタリーにジャーナリストが噛み付く

  • 文:安部かすみ

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Netflixで今月公開されたドキュメンタリーシリーズ『ハリー&メーガン』(Harry & Meghan)。その話題性たるや、あらゆる作品を圧倒的に凌駕し、公開第1週目は、ドキュメンタリー番組としてNetflix史上最多視聴と報じられている。

しかし内容については物議を醸している。王室のないアメリカでは、ハリー王子夫妻を擁護し応援する声もチラホラ聞こえてくるが、王室のある英国ではそうはいかない。英国の世論調査によれば、公開後のハリー王子夫妻の人気はさらに低下しているという。

なかには、ハリー王子夫妻の称号を剥奪するよう求める英国会議員やテレビ司会者もおり、SNS上でも一般市民によりさまざまな議論が交わされている。

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『ハリー&メーガン』にまつわる賛否のコメントでかなり辛辣なものとしては、「英国への反逆罪」を示唆した表現だ。

「反逆罪を犯していると言っても過言ではない」。このように述べ強く夫妻を非難したのは、英GBニュースのテレビ司会者、ナナ・アクア(Nana Akua)氏だ。彼女はドキュメンタリーを「恥ずべきもの」とし激怒している著名人の1人だ。GBニュースの生放送で夫妻を非難し、王子を含むすべての称号を夫妻から剥奪するべきではないかと国民に訴えた。また「メーガンがすべて人種の話にしてしまったことに腹が立つ。この女性が嫌われる唯一の理由はその振る舞いのせいだ」「この女性は妄想癖があり、自己中心的で、ハリーを引きずり込んでいる。率直に言って彼らはこの国の恥さらしだ」と付け加えた。

ナナ・アクア(Nana Akua)氏

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「これまでで最も恥ずべきプロパガンダ」

ドキュメンタリーの内容について「これまでで最も恥ずべきプロパガンダだ」と表現したのは、GBニュースのホスト、ダン・ウートン(Dan Wootton)氏。「このNetflixのシリーズは、彼(ハリー王子)と兄との終わりを意味する。ダイアナ妃も悲しみに打ちひしがれていることだろう」とツイートした。

英コラムニストのピアーズ・モーガン(Piers Morgan)氏も、「ハリー王子は公然と兄のウィリアム王子を叩きのめし、父のチャールズ国王にうそつきの烙印を押し、何もしなかったと祖母の故エリザベス女王を攻撃した」。これらの行為は、ハリー王子から王室の家族への「不快ではらわたが煮えくり返るほどの裏切り」と強く非難した。

元首相のマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)氏の補佐官で政治評論家のナイル・ガーディナー(Nile Gardiner)氏も、ハリー王子夫妻が「王室を攻撃しながら王室の称号を使って富を築いている」のが気に食わない。「これはメーガンとハリーによる大規模な偽情報であり、英国君主制に対する憎悪に満ちたキャンペーンだ。絶対に恥ずべきこと」と訴えた。

このように、英国ではハリー王子夫妻について、非難轟々の嵐だ。そもそも夫妻は2021年、親交の深いオプラ・ウィンフリーによるインタビューで、英国王室の問題を暴露したのが、最初に投下した爆弾だった。問題の1つとして、メーガン夫人が第一子の出産前に「(王室メンバーから)子どもの肌の色を懸念された」と告白し、英王室に人種差別主義者がいると匂わせた。しかし今回、アクア氏が「メーガンがすべて人種の話にしてしまったことに腹が立つ」と憤慨しているように、いみじくも彼女は自分のルーツである黒人女性をも敵に回してしまったようだ。

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【動画・画像】ハリー王子とメーガン夫人の浮き沈み人生

「CSI:ニューヨーク」にはガーターベルト姿で登場

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お金のために仕方なくやっていた「ディール・オア・ノー・ディール」の仕事。露出度の高い大胆な衣装でアシスタントも務めていた。

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アーチーお披露目時の写真。エリザベス女王、フィリップ殿下、メーガン妃の母・ドリア・ラドランさんと共に、仲睦まじそうに写っているが…。@ITVNews - YouTubeチャンネルのキャプチャ画像

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世界が注目したインタビューだった。

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ポッドキャスト配信も行い始めたメーガン妃。

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兄弟夫婦による「4人ショット」も久々。

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ヘンリー王子とメーガン妃の「爆弾インタビュー」を伝えるCBSロサンゼルス

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今回のドキュメンタリーのトレーラー

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The Caribbean Prince-Twitter

英王室の公務を引退する前に、ヘンリー王子がアフリカ移住を考えていたことが分かった。過去に英紙が王子夫妻のアフリカ行きの可能性を報じており、今回それが事実だったと確認された形だ。さらに王子は、アフリカに移住して息子を「裸足で走らせて」育てたいと知人に話しており、この発言が差別的だと批判されている。

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知人に語った移住計画 「メグジット」なしなら、実現していたかも

ヘンリー王子の計画を聞かされていたのは、イギリスの著名な動物行動学者、ジェーン・グドール氏だ。デイリー・メール紙によれば、王子が息子のアーチ―君を「アフリカで、アフリカの子供たちと一緒に裸足で走らせて」育てたいとグドール氏に語っていたという。

ヘンリー王子の良き理解者だったグドール氏

実は2019年にサンデー・タイムズ紙が、ヘンリー王子夫妻がアフリカに駐在できるような国際的地位を確保する計画が、王室の廷臣たちによって進行中だと報じていた。この計画がなぜうまく運ばなかったかは分からないが、結局夫妻は2020年1月に高位王族からの離脱の意向を表明。「メグジット」と揶揄されつつもイギリスからカナダ、そしてアメリカ・ロサンゼルスに居を移し、同年3月31日をもって公務から引退している。

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世間は厳しかった… アフリカ移住に対するコメント続々

ヘンリー王子はアフリカを深く愛し幾度も訪問しており、メーガン妃も最近自分は43%ナイジェリア人であることが分かったと発表するなど、アフリカとの繋がりにポジティブだ。しかしデイリー・メール紙は、2人がアフリカに移住していたなら、NetflixやSpotifyなどの米企業と交わした巨額の契約などはなかっただろうと、率直な意見を述べている。

アフリカ訪問時のヘンリー王子とメーガン妃

ソーシャルメディアには、王子に同情的なものから、メーガン妃に辛辣なものまで、さまざまな感想・意見が投稿された。

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(訳:ヘンリー王子が、人生で最も楽しい時の一部を過ごしたアフリカに家族と住みたかったことが再確認された。アーチ―をアフリカで育てたかったんだ。カリフォルニアなんかに住みたくはなく、彼の心はアフリカにあったんだ)

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(訳:ハリーはそうでもメーガンはどうだったかな?あり得ない。彼女はパパラッチやカメラなしでは生きられないよ)

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このユーザーは「なぜアフリカに引っ越せないのかを語るヘンリー王子」という映像を投稿。インタビュアーにアフリカに住みたいかと聞かれ、王子は安全上の問題などで住むのは難しいという考えを示していた。

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アフリカに対する差別? 「裸足で走る」への違和感

移住計画そのものに加え、「裸足で走らせて」という言葉にも注目が集まった。

(訳:アフリカに移住したいのを批判するわけではないけど、デイリー・メールの記事と「裸足で走る」というグドール氏の引用には批判的。アフリカとアフリカ人に対するネガティブな固定観念を与えると思う)

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Facebookにも、「裸足で走る」発言がアフリカを遅れていることを示唆するものではないかと疑問を呈する声が上がった。コメントのなかには、以下のようなものが…。

・アメリカ、イギリスの子供も裸足で走るし、ドイツでもそう。

・どこでも裸足で走ればいい。裸足とアフリカを同じ文章に入れることで侮辱している。

・多文化コミュニティで育ったけど、誰も裸足で走ってなかった。イギリス人は映画の見過ぎ。(アフリカ在住者)

・ディスカバリー・チャンネルの見過ぎ。

・我々、裸足で走ってるの?初耳。(アフリカ在住者)

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【写真・動画】「息子を裸足で走らせたい」ヘンリー王子のアフリカ移住計画が、‟差別的”と物議を醸す

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The Caribbean Prince-Twitter

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知人に語った移住計画 「メグジット」なしなら、実現していたかも

ヘンリー王子の良き理解者だったグドール氏

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世間は厳しかった… アフリカ移住に対するコメント続々

アフリカ訪問時のヘンリー王子とメーガン妃

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(訳:ヘンリー王子が、人生で最も楽しい時の一部を過ごしたアフリカに家族と住みたかったことが再確認された。アーチ―をアフリカで育てたかったんだ。カリフォルニアなんかに住みたくはなく、彼の心はアフリカにあったんだ)

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(訳:ハリーはそうでもメーガンはどうだったかな?あり得ない。彼女はパパラッチやカメラなしでは生きられないよ)

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アフリカに対する差別? 「裸足で走る」への違和感

(訳:アフリカに移住したいのを批判するわけではないけど、デイリー・メールの記事と「裸足で走る」というグドール氏の引用には批判的。アフリカとアフリカ人に対するネガティブな固定観念を与えると思う)

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【画像】エリザベス女王の国葬に集まった、世界のロイヤル&ファーストレディの喪服姿

キャサリン妃のコートドレスの装い

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(c)Alpha Press/amanaimages

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左からメーガン妃、カミラ王妃、ジョージ王子、キャサリン皇太子妃。

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シンプルな丸首ドレスのレティシア王妃

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シャルレーヌ王妃はブローチがアクセント

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フランスのマクロン大統領夫妻

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バイデン大統領夫妻は手をつないで参列

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インスタの人気者、ブルネイのマティーン王子

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tmski-Instagram

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