触れることでなにかを伝える、人類にしみ付いた「握手」の歴史

  • 文:辻山良雄(書店「Title」店主)

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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『人はなぜ握手をするのか 接触を求め続けてきた人類の歴史』

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エラ・アル=シャマヒー 著 大川修二 訳 草思社 ¥1,980

これまで世界中で友情の証とされてきた「握手」だが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、その存在は敬遠されるものとなった。しかし本書によれば、握手の起源は約700万年前と人類誕生よりも古く(チンパンジーなど類人猿にも似た行動が見られるという)、民族によってはさまざまなバリエーションがあるという。歴史上の重要な場面においても握手は常にそこにあった。我々は触れることでなにかを伝えてきた生き物なのだ。それはグータッチでは肩代わりできない、人類に深くしみ付いた行動なのである。

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※この記事はPen 2023年1月号より再編集した記事です。

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【画像】触れることでなにかを伝える、人類にしみ付いた「握手」の歴史

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