日本とは発想がレベチ! 独自に進化する中国のハイテク自動調理家電

  • 文:山谷剛史

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中国の調理家電は、日本とは違ったアプローチで独自に進化している。

中国では様々なジャンルで新しい製品が毎年登場し消費者の購買心をくすぐっている。特にコロナ前はライフスタイルを毎年なにか変えようと思う雰囲気があった。スマートフォンを新調したり、小物を導入したり、新しいアプリやデジタルサービスを使ったりと、筆者自身過去に中国に住んでいたときも「なんか今年も新しいものが出たなあ」と感じてはその流行に乗っていた。家庭用の自動調理家電も近年トレンドの製品だ。コロナ禍で流行に乗る中国の若者の消費意欲は落ちているが、それでも買ってもらおうと、新しく尖った機能を搭載した製品を出している。

中国で食べる料理は、炒飯やおかずなど炒める料理が多い。基本は炒めもの+スープ+ご飯あたりをベースに、豆料理や肉(魚)料理や炒め野菜など人数分だけ一品料理を加えていくのが中国流だ。地域差はあるが炒める調理工程は中国料理の中では主役級で重要なのである。毎日食べるほど重要な炒めものは家では油を中華鍋に入れて強力な火力で炒めるわけだが、油を入れすぎればギトギトに、そうでなくとも調理の度に煙が部屋の中に充満し住民が咳き込むなんていう冗談のような部屋も結構ある。

さてそんな食環境の中国で、自動で炒めてくれる自動調理家電が登場すればかなり気になる存在になることは想像できよう。実際マニアのみが知る超マイナー家電にはとどまることなくメディアやSNSで各社製品が報じられ注目が集まった。暑い鍋に蓋をして撹拌して炒めるそれは、ただ手抜きができるだけではない。蓋をつけて食材と少なめの油を入れれば、煙を大幅にカットして炒めることができるのだ。

同じ製品ジャンルに様々な企業が参入したことで競争が発生し、新たな機能を搭載した自動調理家電が登場した。3機種紹介しよう。

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黒いシックなシャオミの自動調理マシン

まずはスマートフォンで知られるシャオミの「米家智能烹〓(〓は食編に壬)机器人」。炒める、煮る、絞る、切る、食材を洗う、麺をこねるなど、いわく35の作業ができるとのこと。中国製品はなにかと多機能を売りにするがそれにしてもすごい数だ。そして数百ものメニューが用意されていて、選べば自動で調理してくれるという。シャオミらしいのは、調理器具の本体上に鍋と8インチタッチモニターがあり、タッチや音声で操作できる点だろう。切ったり混ぜたりできる理由は中でナイフの形状の羽が回るからなのだが、かき混ぜるときは逆回転することでナイフの反対部分で具材を押すことで実現している。値段は6000元(12万円強)

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小Cはいくつもの鍋を使いこなして様々な料理を自動で調理する.jpg小Cは重さの自動計量も魅力的.jpg
小Cはいくつもの鍋を使いこなして様々な料理を自動で調理する。重さの自動計量も魅力的

次は中国調理家電の老舗メーカー「SUPOR」より「小C」という自動調理家電だ。この製品も炒めるだけではなく、茹でたり蒸したりできるほか、エアフライヤー機能も備える。本体の小ぶりなタッチモニターからの操作ほか、ファーウェイとの共同開発によりNFCでスマートフォンとタッチで連携するなど、スマートテクノロジーを導入しているのも特徴だ。秤の機能があり重さがディスプレイでチェックできるので、食材や水や油などを正確な量だけ鍋に入れることができる。値段は約4000元(8万円強)。

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外付けタンクが特徴の、添可(TINECO)という新興メーカーによる「食万3.0」。食万3.0は、自動洗浄機能もつく

最後に添可(TINECO)という新興メーカーの「食万3.0」。こちらは料理機本体とは別に油や水や塩水など各種調味料を入れる外付けのタンクがあるのが特徴で、タンクから必要な液体をその都度自動で供給してくれる。さらに調理が終わった後には自動で内部を洗浄するのだ。調理でさらに人の手がかからなくなり、使い始めてうまく使いこなせれば元には戻れなくなるかも。こちらもスマートフォンとタッチモニターで操作ができる。こちらは中国料理にとどまらず、離乳食や外国料理のメニューも含め800ものメニューを用意。値段は5000元(10万円強)。

近年中国でも登場した自動調理家電は、熱を使った調理はできるが、食材を用意して正しい形で切ることまではできない。そこで自動調理家電メーカーとコラボし、専用のミールキットと、ミールキット用の調理プログラムのデータ提供を行う新興食品企業も。スマートフォンメーカーだけでなく、食品企業ともコラボして新しいビジネスができつつあるのだ。