北海道を代表するメーカーから始まった、唯一無二のブランド“コソンコクス”

  • 文:猪飼尚司(デザインジャーナリスト)

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北海道を代表するメーカーから、唯一無二のブランドが誕生
『バードブロック』

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さまざまな鳥をかたどった「バードブロック」。単体でも入手可能だが、全5種を集めると、ボックスの中にきれいに収めることができるパズルのような構造になっている。10月21日より、コソンコクスのオフィシャルサイトで販売開始予定。各¥60,500~ www.cosoncoqs.jp

遠く離れた土地とのコミュニケーションを意味するアイヌ語「コソンコク(COSONCOQS)」。不思議な呪文のようなこの言葉を冠したブランドは、ものづくりの本質を知る北海道のメーカー同士の出合いからはじまった。木製家具メーカーのカンディハウスと、馬具をはじめとした皮革製品を手がけるソメスサドル。両者は確かな技術と知恵を駆使しながら、手間を惜しまずに高品質な製品を半世紀以上にわたり世の中に送り出してきた。

しかし、家具や馬具はどちらも製品のボリュームが大きいため、生産の過程から生じる端材のサイズも大きい。端材といえども、元は厳選した素材。どうにかしてこの貴重な資源を活かすことができないだろうかと、2社はデザイナー・倉本仁に協力を呼びかけた。

「両社を訪れた時に僕が目にしたものは、端材と呼ぶにはあまりにももったいない最高レベルの木と革でした。素材の価値だけでなく、職人がものづくりに真剣に取り組む姿や、その存在意義までをもアップサイクルしていきたい。そう考えた時、形をきれいに整え、使い勝手のよいインテリア小物をつくる程度では物足りない。もっと人の気持ちや暮らしの様子までをも豊かにするものをつくりたいと感じたんです」と倉本は振り返る。

倉本は北海道に生息する野生動物をはじめ、造形の美しさにこだわったアートオブジェの数々をデザインした。端材そのものに個体差があるため、同じ形をしたオブジェでもよく眺めると微妙な表情の違いやクセがあり、その様子を見比べているだけでも、なぜか気持ちがたかぶってくる。

コソンコクスの登場は、いまの時代におけるデザインの可能性、そしてこれからの日本のものづくりのあり方を明るく、確かに照らしている。

※この記事はPen 2022年11月号より再編集した記事です。