
世の中には、いろんな類の「お金持ちになるため」の情報があふれている。今回はその中でも「縁」について考えたい。なぜ縁にいて取り上げるのかというと「お金持ちはご縁持ち」ともいえるからだ。少し考えてみて欲しい。お金には足がないのだから、お金が歩いてあなたの家にやってくることはあり得ない。
何がお金を運んでいるのかといえば「人」が運んでいるのだ。人以外が運んでくることはない。犬や猫が買い物をするなんて考えられない。必ず人がお金を出して買い物をする。だから人から好かれない人、人間関係が上手くいかない人はお金持ちになれないのだ。
短期間でお金持ちになった「成金」といわれる方の中には人から嫌われているお金持ちもいるかもしれない。だが、そういう人は、お金持ちでなくなるのも早いのだ。
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お金は「人」が運んでくる
悪いことをしたり、人からお金をだまし取ったり、人から嫌われているお金持ちは、その状態が長続きしない。人から好かれるお金持ちの方が、お金持ちの状態が長続きするのだ。そもそも経済活動というのは結局のところ、人と人のコミュニケーションの集大成だ。
多くの人に受け入れられる商品やサービスは、とてもよく売れる。お金に縁がある人は、人にも縁があるということなのだ。逆にお金に縁のない人は大抵の場合、思考回路が自分目線だったりする。自分さえよければ、自分だけ儲かりたい、 自分だけがよい家に住んで自分だけが美味しいモノを食べる……。そういう人には、お金は運ばれてこないのだ。
お客様が何を望んでいるのかしっかりと理解して、お客様を喜ばせたり、メリットが大きいと思ってもらえれば、お客様がお金を運んでくれるのだ。
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人付き合いが上手な人はお金も集まる

だから人間の生活と切り離して、お金を増やすことはできない。つまり人との関わり方が上手な人は、お金との関わり方も上手である可能性が高いのだ。お金と上手に付き合うためには、他人と上手に付き合わなければならない。
人と上手に付き合うには、コツがある。まずは「観察」すること。例えば、いつも話している話題に触れなくなったり、以前は肯定的な言い方をしていたのに否定的な言い方になったなど、ちょっとした変化を知ることでその人に何が起こっているのか早めに察知することができる。少しの変化を察知できる人は、お金を引き寄せる人でもある。状況の変化に対して敏感になっていると、何かが起こる前に先回りして対応ができるようになる。
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先回りして対応できるとお金も集まる
仕事の能力が高い人は、お金もついてくることが多い。例えば、よく仕事ができる人は、性格的にもすばらしい人が多い。しかしそれは本当に素晴らしい人でなくても、そう思わせることも可能だ。ようするに相手からの評価が高くなるよう先回りが、できていればいいわけだ。
投資も同じで、少しの変化を察知できると先回りして対応でき、資産を減らすことが少なくなる。それには為替や株価などを定点観測する必要がある。定点観測とは、観察対象を毎日、同じ時間に同じように見続ける観測方法だ。あえて同じ見方を続けることで、ちょっとした変化を確認でき、最終的には大きな変化の兆候までを探ることができるようになる。
市場の変化に先んじて動くことは投資で重要なことだ。状況を観察できる力は、コミュニケーション能力にも繋がるし、お金を引き寄せる原動力にもなるということだ。
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努力以外は「縁」と「運」で支えられている

そのためには努力が必要だ。以前、作詞家でプロデューサーの秋元康さんの講演で聴いた話をご紹介しよう。「運命の人との出会いには3回の奇跡がある」そうだ。どういうことかと言うとあの人いいなぁ~、と思っていて偶然が3回くらい続けば、その人に「縁」があるというのだ。いいな、と思っていた人と偶然同じ電車に乗り合わせたり、お店で合ったり、共通のお友達がいれば運命の人になる可能性が高いのだそうだ。逆を言えば、3回の奇跡がない方とは縁がないということだ。以前、女子大で講演すると盛り上がるテッパンだと話してくださった。
そして、多くのアイドルを見てきた秋元さんは、人生で努力するのは当たり前でそれ以外は「運」と「縁」で支えられているという。傍から見ると、あと少し頑張れば「あと1ミリ努力」したらアイドルとして開花すると思える人達が、努力の手を降ろしてしまい消えていくのをたくさん見てきたというのだ。「あと1ミリの努力」を我慢できるかどうかで人生が変わるという。
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メモをしなくても記憶に残る言葉にはパワーがある
人生には壁が立ちはだかることがあると思う。壁があると人は、迷ってしまうものだが、秋元さんは迷わずに壁の右か左に進むのだという。そうするとどちらかに、わずかな切れ目を見つけることができるのだそうだ。そこをこじ開けるのだ。右に行っても切れ目がなければ、元に戻ってから、左に行くだけ。次は失敗しないように慎重に壁の切れ目を見つけていく努力を惜しまないと話してくれた。失敗しても、元に戻って反対側に走る努力が大事ということだ。
大きなヒットをよんだ『恋するフォーチュンクッキー』についても興味深い誕生秘話を話してくれた。「フォーチュンクッキー」とは、アメリカのチャイナタウンで食後に食べたおみくじみたいなクッキーのことなんだそうだ。クッキーの中に運勢占いの紙が入っているクッキーを食べたのだという。お店のおばさんに「このクッキーはなんという名前なの? 」と、聞いたところ「フォーチュンクッキーだよ」といわれてずっと頭に残っていたのだそうだ。
秋元さんは、そのような頭に残っている言葉を歌詞に使うのだという。あえてメモは取らないのだそうだ。メモしなくても記憶に残っている言葉は、強いインパクトがあるのだというのだ。ちなみに、秋元さんの講演を聴いたのは、実は2年くらい前のことだ。時間が経ってもとても興味深くて、今でもよく覚えている。
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お金持ちは例外なくポジティブな言葉を使う
また、言葉の使い方も大事だ。筆者は、朝でかける準備をしていて「あと30分しかない!」と焦ってしまうことがある。そんな時は、「まだ、30分もある」と思い直すようにしている。化粧は10分でできるし、資料の準備も10分くらいだから、十分に時間があると思い直すのだ。
もちろんキビキビ準備をするのは前提だが、「もう時間がない」と焦って準備するのと「落ち着いて準備すれば大丈夫」と、考えて準備するのとでは効率が明らかに違う。落ち着いて準備する方が、忘れ物も少なく出先での仕事も上手くいくことが多い。
また、難しい仕事を振られた時も「こんなに大変なことはできない」と考えるのか「せっかくのチャンスだから、やってみよう」と考えるのかの違いで、気持ちも結果も大きく異なる。そして頂く報酬にも違いがでてくるのだ。お金持ちで、さらにお金を増やし続けている方は例外なくポジティブな言葉を使う。ポジティブな言葉は、人を引き寄せる。そして「縁」や「運」も引き寄せる。なぜなら人は、ネガティブな話よりもポジティブな話の方が好きだからだ。
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【執筆者】
川畑明美●ファイナンシャルプランナー 「私立中学に行きたいと」子どもに言われてから、お金に向き合い赤字家計からたった6年で2000万円を貯蓄した経験をもとに家計管理と資産運用を教えている。HP:https://www.akemikawabata.com/
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