世界最大級のデザインの祭典、ミラノデザインウィーク。今年6月、本格的に再始動の時を迎え、インテリアを中心とするあらゆる分野のデザイナーがミラノに集結した。今回は、ブランド同士や、職人とデザイナーがコラボした注目の展示を紹介する。
Kerakoll × Martino Gamper
立体化で塗料の特性を際立たせる
タイルの下地に端を発し、現在は塗料や樹脂までを手がけるイタリアのメーカー、ケラコル。違いがわかりづらい商材の特性を可視化するために、マルティーノ・ガンパーは複雑な形態の立体を制作。これをペイントすることによって、光の加減や見る角度でそれぞれの個性が際立つように工夫された。
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DOPPIA FIRMA
工芸が広げる、デザインの表現域
工芸がデザインに果たす新たな役割を模索する、ミケランジェロ財団による総合展示。第一線で活躍するデザイナーと工芸の職人による数々のコラボレーションが紹介され、22組が参加した。写真はデザイナーのザネラート/ボルトットと金属釉を手がけるインカルミによる照明「スペーコラ」だ。
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Mutina ×Nathalie Du Pasquier
平面と立体が織りなす、グラフィカルな組み合わせ
アーティストのナタリー・デュ・パスキエが、イタリアのタイルメーカー、ムティーナとコラボ。色鮮やかなグラフィックが映える新作タイル「マットネイラ・マルガリータ」でつくった台の上に、建築的要素を呈するオブジェシリーズ「パエザーチ」を展示。平面と立体を融合させた構成美を展開した。
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Toogood × Carhartt WIP
巨大化とカラー分けで、服づくりの技術を紹介
6月初旬に発表されたアパレルコレクション「カプセル・コレクション」の展示とともに、カーハートの高度な裁断&縫製技術、耐久性のある服づくりをトゥーグッドが独自の手法でエキシビションへと展開。会場には新作を着た巨大な人形を展示し、パターンの特徴を生地の色でわかりやすく見せた。
※この記事はPen 2022年9月号「レンジローバーで走れ!」の第3特集「世界のいまがわかる、ミラノデザインウィーク最新レポート」より再編集した記事です。