「エサ変えたでしょ」安い魚は食べない偏食家のペンギン、海外でも有名に 【動画】

  • 文:青葉やまと

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Grafissimo-isock ※画像はイメージです

グルメな味覚をもっているのは、どうやら人間だけではないようだ。エサの変化にプイと顔を背ける日本のペンギンが、海外でも話題になっている。

このペンギンたちは、神奈川県箱根町の箱根園水族館で暮らしている。物価上昇の折、ペンギンのエサとなるアジの価格が2〜3割も上昇し、同館は対応に追われた。やむなく一部をアジから安いサバに変更し、急場を凌ぐ作戦をとっている。

たが、この戦略にすべてのペンギンが乗り気というわけでなかったようだ。新しいエサを受け入れる個体がいる一方、一部はサバを差し出されてもあからさまにそっぽを向いて断固拒否の姿勢だ。魚ならパクパクと食べるイメージのあるペンギンだが、食への意外なこだわりが笑顔を誘っている。

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プイとすねるペンギンたち、イギリスなど海外でも話題に

この様子は6月下旬ごろから国内のニュースで報じられたが、このところ海外各地のメディアも取り上げるようになった。グルメというべきか偏食家というべきか、ペンギンたちがなんとか好みのエサをねだろうとする姿がなんともいじらしい。そんな姿を愛する気持ちは万国共通のようだ。

英デイリー・メール紙は、「チープな魚を拒否するペンギン」として動画入りで報じている。飼育員がペンギンの目の前にサバを差し出しても、なかなか食べようとしない。くちばしの方へと近づけると、顔をそむけて明らかに拒否のポーズだ。

同紙はユーモアを交え、「この(エサ変更の)決定は、この鳥(ペンギン)たちの間では評判がよくないようだ」と述べている。

米CNNもこの話題を取り上げ、「ペンギンたちは水族館のコストカットに関して、明らかに何か匂うと感じた」と報じた。魚臭さを意味するfishyという語を使ってのダブルミーニングだ。

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カナダとインドでも紹介「食生活の変化に不満顔」

カナダでも話題だ。ヤフー・ファイナンスのカナダ版がこの一件を取り上げた。インドでは、インディアン・エクスプレス紙がこのニュースを扱い、ペンギンたちが「物価上昇による食生活の変化に不満顔」だとしている。

Twitterの海外ユーザーたちも、偏食家のペンギンたちを題材に大いに盛り上がっている。あるユーザーは、「ペンギンにもこだわりがあるみたい。棚の下の方に並んでいるノーブランドの魚はいらないって」とコメントしている。

値上げラッシュの世知辛い時勢だが、ペンギンたちも一緒に頭を抱えているというニュースが、世界にひとときの笑いを届けたようだ。

なお、水族館側としては、無理に新しいエサのサバを与えないようにしているとのことだ。サバで満足してくれる個体にはサバを食べてもらい、そうでない個体にはこれまで通りアジを与える方針だという。

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【動画】プイとすねるペンギンたち