優美な曲面で造形されたクッション型ケースと、ボックス型のサファイアクリスタル風防がレトロな雰囲気を漂わせながらも、ブラックベースのダイヤルとベゼルにレッドとホワイトのコントラストがスポーツモデルらしいシャーブな印象を与える。
ロンジンでは創業190周年を記念して、伝説的なダイバーズウォッチ「ロンジン ウルトラ-クロン」を復刻した。単なるリバイバルにとどまらず、時代背景やこだわりなどを継承しつつも、時計の内外に現代の最新技術を駆使したアップデートが施されている。

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シリコン製ヒゲゼンマイによる新ムーブメントを開発
オリジナルは、1968年に発売された毎時3万6000振動(毎秒10振動)のハイビートムーブメントを初めて搭載したダイバーズウォッチだが、そのルーツは1914年に開発された1/10秒を計測できるストップウォッチまで遡るという。スポーツ計時用に蓄積してきた技術を腕時計に応用。1968年にハイビートの防水モデルが登場したが、このダイバーズは何と日差2秒、月差で1分という破格の高精度を備えていた。このため、復刻モデルも同じハイビートにするだけでなく、耐磁性に優れたシリコン製ヒゲゼンマイを採用した「キャリバーL.836.6」を新たに開発。さらに、ジュネーブに本拠を置く独立した検定機関のTIMELABからロンジンとしては初のクロノメーター精度認定を受けている。

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外装もブラッシュアップ
機械式時計は、車輪のようなテンプが往復振動することで秒を刻む。昔の懐中時計は毎秒4〜5振動、腕時計では6〜8振動が一般的だ。毎秒10振動のハイビートはそれだけ高精度を追求できるほか、高速回転する独楽が倒れにくいように、外部からの揺動や姿勢変化にも強いため、精度の安定性にも寄与するといわれる。
新作の「ロンジン ウルトラ-クロン」は、外装もスタイリッシュにブラッシュアップ。オリジナルはクッションケースがリューズガードを兼ねて横に張り出していたが、スレンダーな細面になった。現代的なフェイスに変貌したといえるだろうか。ダイバーズウォッチでは不可欠な逆回転防止ベゼルも、ロンジンでは初のサファイアクリスタルはめ込み。ダイヤモンドに次ぐ硬度なので傷がつかないだけでなく、透明な艶が美しく映える。目盛り線は分針と同じくラッカー塗装によるレッド。時針と15分おきの数字はホワイトと明晰なカラーリングも心地良い。要所に蓄光式蛍光が塗布されているので、夜間などでの視認性も確保されている。
復刻とはいうものの、このように機能もデザインも格段の進化を遂げており、ロンジンの底力と並々ならぬ意気込みが感じられる。基本的にはダイバーズウォッチだが、普段使いでも高度な防水性と高精度は大いに役立つ。逆回転防止ベゼルも、ホワイトの三角マークをレッドの分針に合わせるだけで会議の経過時間などを簡単に計測できるほか、予定時間を先回りしてセットすればカウントダウン的にも利用可能(いずれも60分以内)。毎秒10振動を刻む緻密で滑らかな秒針の動きも楽しんでいただきたい。

問い合わせ先/ロンジン TEL:03-6254-7350
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