“まるでムーミン谷”なツリーハウスが出現。「童心に返って癒されたい」大人が続出?

  • 文:宮田華子

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@dezeen – YouTubeのキャプチャ画像。

オーストリア中東部にある小さな村の森の中に、まるで「ムーミン谷!?」と見まがうようなツリーハウスが出現した。

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このツリーハウスはポーグッシュ村にあるレストラン「シュタイラーエック・アム・ポーグッシュ(Steirereck am Pogusch)」のゲストおよびスタッフ用の宿泊施設。建築スタジオ「プレヒト(Precht)」と小規模エコ建築を専門とするスタートアップ企業「バウムバム(Baumbau)」が共同で開発したモジュール構造「バート(Bert)」を使って作られた、初めての建築物である。全部で4棟建てられており、各棟に2寝室、バス&シャワー、キッチンを兼ね備えている。

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「Archdaily」によると、「バート」は環境への影響を最小限に抑えることを意図して構想されたシステムだ。まずクロスラミネートティンバー(CLT)から作られたプレハブ部品を工場で作り、現場で組み立てる方法で建築される。

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モジュールは、CNCマシンで切断され、曲げ加工されたCLT材で作られている。

円形のコンクリート土台の上に、チューブ状のモジュールが積み重なる構造だ。

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建物の軸となるチューブ状のモジュールがトラックに乗せられ、現場に運搬される。BaumbauのYouTubeチャンネルのキャプチャ画像。

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現場での組み立て作業の様子。内部の形状がよく分かって興味深い。

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子どもが好きなキャラクターから着想

このツリーハウスを見ると、森の中に違和感なく溶け込みつつも、どこかコミカルな印象を受けるだろう。

ムーミンだけでなく、ヘンゼルとグレーテルや赤ずきんちゃんもツリーハウスの前を横切って行きそうな雰囲気だ。

本物の木をくりぬいたように見える建物は、漫画やアニメ、絵本の世界観そのものだ。「Dezeen」によると、「プレヒト」の共同創業者であるクリス・プレヒトは「おとぎ話に出てくるようなフォルムの建築物を作りたい」と考えたという。大きな丸窓とバルコニー部分は、『セサミストリート』のキャラクターや、アニメ『怪盗グルー』の黄色いミニオンたちの目をイメージしている。

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「バート」の模型。

ユニークなフォルムと周りの木々とをなじませているのが木製の外壁だ。小さな木板がうろこのようにびっしり貼り付けられており、ナチュラルな木の質感が味わい深い。

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@ dezeen –YouTubeのキャプチャ画像。

2枚目のスライドにツリーハウスのスケルトン構造が、3枚目に「うろこ」板の質感が分かる画像がある。

木板は経年変化により色が変わる。数年後には今とは違う色味を見せてくれるだろう。

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室内の家具もすべてモジュール化

筒形の形状に合わせ、インテリアも丸みのある壁に合わせて作られている。

ベッドルームと書斎は、半円形の引き戸で仕切っている。

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筒の中をぐるりと巡る螺旋階段。

室内インテリアには黒も多用されている。これは木の質感とのコントラストを演出し、かつ空間を落ち着いた雰囲気にするための工夫だ。

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ベッド際には大きな窓が。黒で仕切られた「窓 in 窓」をあけると、木々に手が届く。

心躍る楽しさがあるのに、静かに落ち着いて過ごせる場所。こんなツリーハウスで休暇を過ごすことができたら、癒されるのはもちろんのこと、素直に童心に帰れそうだ。

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「プレヒト」と「バウムバム」の次なるプロジェクトは「マッシュルームハウス」。こちらも実現が楽しみだ。

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ツリーハウスを堪能できる動画を紹介

見るだけで癒される、オーストリアの深い緑の中に建てられた「おとぎ話の館」。

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こちらの動画を見ると、プレハブパーツを組み立てる様子がよく分かる。

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