柴田敏雄と鈴木理策からDIC川村記念美術館でのカラーフィールド展まで、Penが選んだ今月の展覧会2選

  • 文:川上典李子(ジャーナリスト)
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写真家ふたりとセザンヌ、現代写真と絵画の関係を探る

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鈴木理策『サンサシオン 09, C-58』2009年、作家蔵

各地のダムなど構造物を含んだ風景を大型カメラでとらえる柴田敏雄。写真の特性を探り、見ることへの問題意識に基づく作品に挑む鈴木理策。両氏が関心を寄せるポール・セザンヌの作品を起点として、美術館コレクションからの名作と、柴田、鈴木の新作・未発表作品130点以上を含む約240作品との「ジャムセッション」が始まる。写真が発明され普及した時代は、印象派の画家たちが登場した時代に重なる。近代絵画と写真の関係にも迫る、他では目にできない展覧会。

『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画─セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』

開催期間:~7/10
会場:アーティゾン美術館
TEL:050-5541-8600( ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時 ※金曜は20時まで、入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日
料金:一般¥1,500
※開催の詳細はサイトで確認を
www.artizon.museum

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画面に広がる色と質感、日本初紹介の作品に注目

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フリーデル・ズーバス『捕らわれたフェニックス』1982年、オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ蔵 © 2022 Friedel Dzubas/ ARS, New York JASPAR, Tokyo G2749

1950年代後半から60年代のアメリカを中心に発展した絵画の潮流、カラーフィールド。絵具をカンヴァスに染みこませるステイニング技法をはじめとする作家独自の画法も生み出され、色彩表現における意欲的な探求がなされた。カラーフィールド作品の収集で知られるマーヴィッシュ・コレクションより9人の作家の作品を日本初披露、美術館収蔵作品もあわせて展示されている。作品はそれぞれに豊かな色の大地であり、色の海原。想像を刺激する表現を堪能したい。

『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』

開催期間:~9/4
会場:DIC川村記念美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、7/19 ※7/18は開館
料金:一般¥1,500
※事前予約制、開催の詳細はサイトで確認を

https://kawamura-museum.dic.co.jp/

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※この記事はPen 2022年7月号より再編集した記事です。