建築家・吉阪隆正からアートディレクター・細谷巖まで。Penが選んだ今月の展覧会2選

  • 文:川上典李子(ジャーナリスト)

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戦後復興期より活躍した建築家・吉阪隆正や、アートディレクターとして広告の可能性を切り開いてきた細谷巖まで、今月訪れたいPen編集部おすすめの展覧会を紹介する。

地球規模の視点と行動力、提唱された社会へのメッセージ

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『大学セミナー・ハウス 本館』1965年 photo: Eiji Kitada, 199

考現学の創始者である今和次郎に師事し生活学や住居学も研究、1950年に渡仏しル・コルビュジエのアトリエに2年勤めた後、自らの設計室を設けた吉阪隆正。冒険家でアルピニスト、山岳建築や地域計画にも取り組み、建築を中心とする領域横断的な活動を展開した。貴重な資料とともに約30の建築・プロジェクトを振り返り、「発見的方法」「有形学」も提唱した吉阪の活動をひも解く。

『吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる』

開催期間:3/19~6/19
会場:東京都現代美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時 ※入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日 ※3/28、4/25、5/2、5/9は開館
※開催の詳細はサイトで確認を
www.mot-art-museum.jp
※臨時休止、展覧会会期や入場可能な日時の変更、入場制限などが行われる場合があります。

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広告界の巨匠が大切にしてきた、「特別なもの」がポスターに

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代表作にキユーピーマヨネーズの広告や西武ライオンズのマークなど。アートディレクターとして広告表現の可能性を拓いてきた細谷巖(1935年生まれ)の心に常にあることばは「SOMETHING ELSE」。「仕事で生かされなかったものなどのアイデアスケッチは、なごり惜しくて捨てられない、まさに私の“何かほかの特別なもの”」。それらをポスターとして制作、25作品を披露する。

『SOMETHING ELSE』

開催期間:3/29~4/15
会場:ギャラリー5610
TEL:03-3407-5610 
開館時間:11時~18時 ※4/15以外の金は19時まで
休館日:無休
※開催の詳細はサイトで確認を
www.deska.jp
※臨時休止、展覧会会期や入場可能な日時の変更、入場制限などが行われる場合があります。

※この記事はPen 2022年5月号より再編集した記事です。