元ルーヴルのキュレーターが、フォンテーヌブローに住む理由
新型クーペSUVのルノー・アルカナに乗ってパリから南へ約80km、広大なフォンテーヌブローの森をナビゲートするのは、フリー・キュレーターのマルタン・キーファー。ルーヴル美術館でコンテンポラリーアートのキュレーターを15年務めた経歴をもつ彼は、フリーになった現在、フォンテーヌブローの森に近い田舎町に家を購入して暮らしている。ギャラリーのオープニングやオペラの初日公演など週に1〜2度、深夜までパリで用事のあるときは、小さなアパルトマンに寝に帰るが、基本的にフォンテーヌブローが彼の拠点だ。豊かな自然に囲まれていて四季それぞれに楽しみがあり、広く快適な家があるから当然のことだが、この地域ならではのアーティストたちのコミュニティも、キーファーがフォンテーヌブローを愛する重要な理由だ。
広大な森に点在する村や町を移動するのに欠かせないのはクルマ。信頼性と運転のしやすさ、そして快適さはもちろんのこと、キュレーターとしての審美眼を満たす美しいデザインも重要だ。ルノー・アルカナは最新テクノロジーを採用したSUV。オレンジのボディと、なだらかに弧を描くフロントからリアへのラインが特に美しい。クーペルックのこのクルマは、キーファーのクルマ選びの条件をすべて満たす格好のパートナーでもある。
フランス王室の居城としての長い歴史を誇るフォンテーヌブロー城、隣接した町にある宝石のような小さなミュージアム、アーティストたちが集う空間まで、自宅周辺の魅力的なアートスポットについて語り始めるとキーファーは止まらない。彼の運転で、見逃せないアートスポットを案内してもらう。
1.フランスの歴史を辿る、フォンテーヌブロー城にて
まずキーファーが向かったのは、町の中心にある広大な敷地のフォンテーヌブロー城。歴代のフランス国王が12〜19世紀にかけて過ごしたこの城は、ルーヴル、ヴェルサイユと並ぶ三大宮殿のひとつ。1981年にはユネスコの世界遺産に登録された。ルーヴル美術館で15年を過ごしたキーファーは、見どころをこう説明する。
「王族の狩猟地だったフォンテーヌブローの森に、狩猟用の小さな城館が12世紀後半に築かれました。中世、ルネッサンス期、そして19世紀と長い期間に、歴代の王たちが大規模な増改築を行ったため、ここには時代時代の建築様式や装飾が見られます。これこそがフォンテーヌブロー城の面白さです。西欧美術史のなかで、私がいちばん好きなルネッサンスのアートやロマン主義の痕跡などを見ることができます。なかでも装飾の美しいスタッコ(化粧漆喰)とフレスコ画の回廊は、フランソワ1世がイタリアのロッソ・フィオレンティーノを呼んでつくらせたもの。16世紀前半にイタリアのルネッサンスが伝播し、第一次フォンテーヌブロー派が生まれるきっかけです。美術史的にも重要なものです」とキーファー。
城のまわりを取り囲む美しい庭園を散策し、木漏れ日があふれる森をドライブ。木々の間から美しい姿のフォンテーヌブロー城を望むことができる。フォンテーヌブローの道はロータリーから放射状に広がっている。直線と鋭角の交差点が入り混じり、緩急ある運転が要求される。さらにアスファルトあり、石畳あり、砂利道あり、土の道あり、と道もさまざま。そんな道をアルカナは、楽々と、スムーズに走る。クルマの心臓部である「E-TECH HYBRID」は、モーターとエンジンの切り替えがきわめて自然に行われる。モーターで発進してスピードを上げていくと自然にモーターからエンジンに切り替わっている。モニターを確認しない限り、どちらで走っているのか気づくこともないスムーズさ。通常のクルマと違うのは、ドライブを終えてからの走行距離に比べてガソリンがほとんど減っていないことくらいだろう。
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2.ローザ・ボヌールのアトリエで、19世紀の女性画家の生活を垣間見る
キーファーが次に案内するのは、トムリー村にある19世紀の女性画家、ローザ・ボヌールの暮らした小さな城。「動物や自然を描き続けた画家で、19世紀のフランスの女性画家としては異例の成功をとげた後、すっかり忘れられ知る人ぞ知る存在になってしまったローザ・ボヌール。2022年が生誕200年ということで、フランスでは再び注目を浴びています。5月からはボルドー美術館、そして10月から2023年1月まではパリのオルセー美術館で初の大回顧展が開かれます。LGBT+という言葉などなかった時代に1860年から亡くなるまでローザが生涯を通じてふたりの女性パートナーと暮らしていたのがこの城。現オーナーが、ボヌールが暮らしていた頃のままとなるようにと、情熱を傾けて修復しアトリエを公開しています。動物を描くボヌールは、馬や猪、鹿に加え、ライオンのつがいまでをこの城の庭で飼っていたそうです」
4ヘクタールにもなる広大な庭にライオンこそいないが、城内には動物の剥製がいまも残る。アトリエや書斎は、19世紀の姿が忠実に復元されている。ボヌールの仕事着や眼鏡はもとより、絵の具のパレットや筆、無数のクロッキーや複製画も残り、ついさっきまでそこにボヌールがいたような息吹が感じられる。ガイド付きのツアーが開催されている。
「パリの画壇から離れた自然の中で動物たちに囲まれて精力的に絵を描き続けたボヌール。その生き方は女性も男性と同等に自由であり、作品からは動物たちにも魂があることを19世紀でありながら堂々と示し続けました。タイムトリップしたようなこの城を訪れることで誰もがボヌールのメッセージを感じ取れると思います」とキーファーは語る。
次に向かうのは、19世紀にミレーが描いた麦畑が広がるバルビゾン村。畑の中の細い道は凹凸やぬかるみも多いが、アルカナのシートは、前後、高さ、傾きすべての調整幅が広くドライバーの体型や好みに合わせてしっかりとホールドし疲れない。ステアリングやペダル類の配置が絶妙で、長時間の運転も苦にならない。
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3.バルビゾン村の現代アートスポット「ラ・フォリー・バルビゾン」
「バルビゾンは観光地のイメージが強くなってしまったのが残念だ」とキーファーは言う。
ジャン=フランソワ・ミレーら「バルビゾン派」の名で知られる村の表通りは、商業的なギャラリーや観光客目当てのレストランやブティックが並ぶ。ここでキーファーが向かうのは「ラ・フォリー・バルビゾン」。ここは陶芸家、彫刻家、画家、ミュージシャンなどさまざまな分野のアーティストが活動するレジデンス。滞在する若手シェフが交代でメニューをつくるレストランやバーに加え、11の客室のホテルも併設する自由な空間だ。
このアーティストレジデンスの創設者はリオネル・ベンセムーン。伝説のクラブ「ル・バロン」など数多くのレストランやナイトスポットを手がけ「パリの夜の帝王」と呼ばれた人物だ。たまたま訪れたバルビゾンの村の美しさと、パリからクルマで1時間とは思えない深く美しい森に魅せられてこのレジデンスを開いた。インテリアは蚤の市で探したり、奉仕団体などから譲り受け、飾られるアートはレジデントの作品をメインにしている。レストランのメニューは地産地消の食材でベジタリアンメニューのみ。滞在中のアーティストがレストランで給仕していたりと、宿泊客とレジデントが自然に交流するリラックスした雰囲気が特徴だ。
食事後の散策や目覚めの散歩には、すぐ近くのフォンテーヌブローの森トレッキングコースがお薦め。ゴロゴロと並ぶ大きな岩の間に松や白樺、そしてコナラが混生し、林床にはシダ類が生い茂る。先史時代には海だったこの森の地面はサラサラの白い砂で覆われている。それがフォンテーヌブローの森。美しい森の総面積は2万5千ヘクタールにもなる。
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人生を楽しむためのクルマに搭載された、新しいハイブリッドシステム
キーファーのフォンテーヌブロー暮らしには、さまざまなシーンがある。
ボルダリングスポットへ向かうワインディングロードのドライブ、夏には庭の小屋にしまっているカヌーで川下りをしてバーベキュー、冬には暖かい暖炉の前で友人たちとアペリティフを楽しむための食材探し……人生を楽しむために必要なクルマの条件は多岐にわたる。そんな生活においてルノー・アルカナはパートナーのような存在だ。村の狭い道での縦列駐車でも俯瞰カメラの画像を見ながら、ピッタリと停めることができる。そして、国道に出れば、意のままにスポーティでシャープに動く性能。パリとフォンテーヌブローを結ぶ高速道路の制限速度は晴天時は時速130km。クルマの心臓部であるハイブリッドシステムの「E-TECH HYBRID」は力強い追い抜き加速にしっかり応え、ときに遭遇する渋滞にでも快適だ。エレガントなルーフラインと鮮やかなカラーの存在感。まさに人生を楽しむ人にぴったりなクルマなのである。
ルノー・アルカナ
Renault Arkana
サイズ(全長×全幅×全高):4570×1820×1580㎜
総排気量:1.597L
トランスミッション:電子制御ドッグクラッチ マルチモードAT
燃費消費率※1:22.8km/ℓ(WLTCモード※2 社内測定値※3)
メーカー希望小売価格:¥4,290,000(税込)
問い合わせ先/ルノー・コール
TEL:0120-676-365
https://www.renault.jp/car_lineup/newcoupesuv/index.html
※1 燃費消費率は定められた試験条件での値です。お客様の使用環境(気象・渋滞等)や運転方法(急発信・エアコン使用等)に応じて燃料消費率は異なります。
※2 WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード。
※3 フランスの試験期間UTACによる測定値です。