『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞!第94回アカデミー賞の受賞結果まとめ

  • 文:上村真徹
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©2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

今年で94回目を迎えるアカデミー賞授賞式が、3月28日(日本時間)に米国ロサンゼルスのドルビーシアターで開催された。注目を集めたのは、作品賞を含む最多11部門で12ノミネートされたNetflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。また、日本映画で初めて作品部門にノミネートされた『ドライブ・マイ・カー』も、カンヌ国際映画祭4冠など世界の賞レースを席巻し、先日の日本アカデミー賞でも8部門を制するなど、その勢いのまま快挙を果たすか注目された。

そんな中、栄えある作品賞に輝いたのは、家族の中でただ1人の健聴者である少女の夢と青春を描いた感動作『コーダ あいのうた』。障がい者=弱者というステレオタイプで描かない多様性の豊かな物語であり、聴覚障害のある役柄を実際のろう者が演じることで、才能あるろう者の俳優に表現の機会を与えるという姿勢も高く評価された。さらに、ヒロインの父親を人間味豊かに好演したトロイ・コッツァーが助演男優賞を受賞。男性のろう者の俳優で初めてのオスカー受賞となった。

一方、ゴールデングローブ賞など主要な前哨戦を制して前評判も高かった『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の受賞は、なんと監督賞のジェーン・カンピオンのみ。これまで『ROMA/ローマ』『アイリッシュマン』などが破れなかった“配信作品の壁”に今回も屈してしまった。

俳優部門は、それぞれ誰が獲ってもおかしくないハイレベルな争い。主演男優賞は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチが本命視されていたが、ウィリアムズ姉妹を世界トップのテニス選手に育てた型破りな父親を熱演した『ドリームプラン』のウィル・スミスが悲願の初受賞。本命不在の主演女優賞は、過去に2度オスカーにノミネートされたジェシカ・チャステインが、実在のテレビ伝道師を演じた『タミー・フェイの瞳』で3度目の正直となる受賞。助演女優賞は、『ウエスト・サイド・ストーリー』でヒロインの良き理解者である移民女性を情熱的に演じたアリアナ・デボーズに輝いた。

他に特筆すべきは、視覚効果賞をはじめ技術部門で6部門を制覇した『DUNE/デューン 砂の惑星』。伝説のSF小説の壮大な世界観を再現した映像の完成度が高く評価された。なお、作品賞、監督賞、国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)、脚色賞の4部門にノミネートされた『ドライブ・マイ・カー』は、作品賞こそ手が届かなかったものの国際長編映画賞を受賞。これは日本映画では『おくりびと』以来13年ぶりの快挙で、十分期待に応えたと言えよう。

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国際長編映画賞を受けての濱口竜介監督のコメントは以下。

「Thank you very much. Ohh..You are the Oscar.
アカデミーの皆さまへ感謝いたします。
ヤヌスフィルムとサイドショウとワーナーメディア150とシネティック、

この映画をアメリカに持ってきてくれてありがとう。
ここにいる出演者のみなさんに感謝します。
⻄島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、

パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさんおめでとうございます!
また、ここに来れなかった出演者のみなさんにも感謝します。
特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!みなさん獲りました!」

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<2022年度(第94回)アカデミー賞 受賞結果>
◆作品賞
『コーダ あいのうた』

◆監督賞
ジェーン・カンピオン(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)

◆主演男優賞
ウィル・スミス(『ドリームプラン』)

◆主演女優賞
ジェシカ・チャステイン(『タミー・フェイの瞳』)

◆助演男優賞
トロイ・コッツァー(『コーダ あいのうた』)

◆助演女優賞
アリアナ・デボーズ(『ウエスト・サイド・ストーリー』)

◆脚本賞
『ベルファスト』

◆脚色賞
『コーダ あいのうた』

◆撮影賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』

◆編集賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』

◆美術賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』

◆衣装デザイン賞
『クルエラ』

◆メイキャップ&ヘアスタイリング賞
『タミー・フェイの瞳』

◆視覚効果賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』

◆録音賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』

◆作曲賞
『DUNE/デューン 砂の惑星』

◆主題歌賞
「No Time to Die」(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)

◆アニメーション映画賞
『ミラベルと魔法だらけの家』

◆国際長編映画賞
『ドライブ・マイ・カー』

◆長編ドキュメンタリー賞
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』

◆短編ドキュメンタリー映画賞
『The Queen of Basketball』

◆短編映画賞(実写)
『The Long Goodbye』

◆短編映画賞(アニメーション)
『The Windshield Wiper』

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