兵庫県のほぼ中央に位置する北播磨地域で生産される綿の先染織物「播州織」。糸を先に染めた後に横糸と経糸を交差して柄を表現するテキスタイルは、現在のプリント技術でも出せない温もりが宿っている。その唯一無二の生地を世界へと発信しようと取り組んでいるのが「播州織コレクション」。播州織産地とファッションデザイナーが1年に1度のペースでコラボレーションを行い、「播州織」を使ったMADE IN JAPANのプロダクトをデザインして国内や海外へとその魅力を発信。今年はコロナ禍もあってオンラインで作品が発表された。
播州織の良さを活かしたリアルクローズを提案
今年はアパレルメーカーにて企画・生産・プレスとして研鑽を磨き、2013年春夏シーズンからブランドをスタートさせた「superNova.(スーパーノヴァ.)」の山口 卓氏を起用。自らが直接産地へと足を運び、生産の現場や多数の生地を入念にチェック。その中から厳選した生地を使用し、13体からなるコレクションを製作した。「播州織の多様性を表現したかった」と山口氏が語るように、チェック柄・ストライプ・幾何学模様など、柄と素材感を活かしたプロダクトを提案。歴史と伝統に裏付けされた確かな技術で生まれた「播州織」のテクスチャー。その豊かな表情が山口氏によるリアルクローズに彩りを添えた。
日本の繊維産業を支えてきた播州織の魅力を再確認
自然の恵みあふれる風土を映し出すかのように、ナチュラルな肌触り、変化に富んだ風合い、豊かな色彩をテキスタイルの一枚一枚に醸し出す「播州織」。生き生きとした表情を持つ「播州織」の魅力を引き出したコレクションに、「播州織の良さをよりたくさんの方に知っていただく機会になればと思っています」と山口氏。今回のコレクションで製作されたアイテムの一部を実際に商品化。神戸市内のセレクトショップにて販売される予定で、実際に山口氏がデザインした播州織のリアルクローズが手に取れる。現在進行形のデザイン力と、代々受け継がれてきた地場産業とのコラボレーションにより、「播州織」の魅力を日本だけでなく世界へと発信する。
問い合わせ先/公益財団法人 北播磨地場産業開発機構 TEL:0795-22-7676
https://kitaharima-jibasan.org