つくられたファッションアイテムが店頭に並ぶ前の最重要な工程のひとつが展示会である。各ブランドは主に春夏・秋冬シーズンにわけて会場に全サンプルを揃え、ショップバイヤーらを招く。彼らのオーダーがつかなかったり、少数すぎて生産できないアイテムは“ドロップ”すなわちボツになり、その後日の目を見ることはない。展示会はボツサンプルを含め各ブランドの提案のすべてを目にできる貴重な機会なのだ。
我々メディア関係者も展示会に行き、約半年後に雑誌やネットに掲載するアイテムをいち早くリサーチする。今回のファッション連載「着る/知る」は、そんなリサーチ時に注目したアイテムをブランド毎に一気にお見せしよう。スマホでのラフな記録写真で、場の空気を感じていただけたらと思う。
ピックアップしたのは掲載順に、トーガ ビリリース、コム デ ギャルソン、ハイク、カラー、アンダーカバー、ビューティフル・ピープル、ダブレット。これら日本のトップモードのコレクションの中から、グッズ類に的を絞った。デザイン性の強い服には苦手意識がある人でも、グッズなら着こなしに取り入れやすいはず。ドロップ品の可能性もあり各プライスは未掲載にさせていただくが、気になる人はぜひECサイトや実店舗をチェックして春の買い物を楽しもう。
トーガ ビリリース
世界に知られるウィメンズのモードブランド、トーガ。そのメンズ版のビリリースは、服以上にグッズ類にいつも目を奪われる。さりげなくウエスタンや古着のテイストが薫る、唯一無二のモードなメンズ小物だ。
コム デ ギャルソン
コム デ ギャルソンの展示会は、同社が展開するメンズを一度に披露する大規模なもの。ここではオム、ジュンヤ ワタナベ マン、オム プリュスの3ブランドからグッズをセレクトした。どれも物欲が沸くクリエイティブな逸品だ。
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ハイク
服でジェンダーレスラインも手掛けはじめたハイクだが、ウィメンズを主体にする姿勢は変わらない。マスキュリンを好むハイセンスな女性たちを虜にするハイクのバッグは、男性も親しみすいメンズ感覚に満ちている。
カラー
さまざまな素材や色を複雑に絡み合わせる服と呼応させる小物もまた凝ったミックスデザイン。カラーの今季は壊れたものを修繕したようにホチキス留めしたアイディアが楽しい。遊び気分でいっぱいのラインアップだ。
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アンダーカバー
今季コレクションのテーマは千利休の言葉「一期一会」。かの茶人の装いを現代的にアップデートしたような和風のものや、自然界に馴染むアイテムが多数登場している。人気が高まる日本的な暮らしにフィットするコレクションだ。
ビューティフル・ピープル
こちらもハイク同様にウィメンズが主軸だが、男性が身につけやすい服やグッズ類が見つかるから見逃せない。時代感を取り入れて旬のムードを出すセンスにも定評がある要注目のブランドである。
ダブレット
ユーモアと実験精神を二本柱に、工場との関係性も密にして新しいモノづくりに挑戦し続けるダブレット。モード通に絶賛される稀有な前衛ブランドだ。今季はSDGsが席巻する現在のファッションシーンへのダブレット流回答が皮肉たっぷりに繰り広げられている。
今回のトリにお届けしたダブレットに代表されるように、日本モードのグッズ類はポップな遊び心に満ちている。ここに掲載した品以外にも、日常を心楽しくさせるアイテムがたくさんある。掲載ブランドのうちハイクとダブレット以外は直営店があるので、自分だけの愛用品を探しに訪れてはいかがだろうか。
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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