【着る/知る】Vol.122 ニューノーマル生活の必需品! 機能美が息づくカジュアルスリッポン3選

  • 構成・文:高橋一史
  • 写真:青木和也
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EVA素材で気楽に足入れできるサンダルタイプのローファー。¥13,200(税込)/コール ハーン(コール ハーン ジャパン TEL:0120-56-0979)※掲載色は3月上旬発売予定。

会社勤めの人も家の内外で過ごす時間が増えた昨今。服装におけるもっとも大きな変化は、スーツらのビジネスウエアの出番が減ったことだ。複数のアパレル関係者が、「この冬の売れ筋はカーディガン」と口を揃えた。確かに着心地も見た目もリラックスした服は、いまの生活にちょうどいい。ここ何年も人気薄だったアイテムが注目される現象が起きている。

革靴を履き足に負担を掛ける日々から開放されたのも、社会慣習の劇的な変化。大人男性の靴選びが自由になった。誰もが好きに装える時代の到来である。

今回のファッション連載「着る/知る」は、いま履きたい快適なスリッポンに着目。近所へ出かけるとき、野山でテントの内外を行き来するとき、素早く脱ぎ履きできるスリッポンは実に便利だ。掲載した3ブランドのシューズは、実用性と都会に映えるトレンド性とを兼ね備える優れもの。頑張りすぎないモダンな着こなしを愉しもう。

ローファー?サンダル?歩きやすさにも驚くコール ハーン

近年世界的に勢いを増しているのが、合成樹脂で一体成型されたクロッグサンダル系のシューズ。ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガといった先端ブランドが人気の火付け役になった。記事冒頭写真のローファーもこの流れを汲んだもの。手掛けたのはアメリカの老舗シューズブランド、コール ハーン。ローファーで名高いブランドが現代のローファーをつくるとこうなるという、洒落の効いた一足である。

ユニークなのは機能にもあり、深く溝が刻まれたソールは「ゼログランド」。コール ハーンが誇るクッション&反発システム「グランドOS」のなかでも屈伸性が高いソールが採用された。見た目騙しでない高機能シューズを、秋冬は厚手ソックスで、春夏は素足で一年中使い回したい。

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独自素材で防水性が高まった、スタイリッシュなザ・ノース・フェイス

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スポーティなセットアップスーツとも相性がいい都会的な表情。2色ともに¥15,950(税込)/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター TEL:0120-307-560)

ザ・ノース・フェイスはマウンテンパーカらの服の人気が高いが、その影に隠れたシューズも見逃せない。モードのようにスタイリッシュでタウンユースにぴったり。アウトドアファンならずとも注目すべきラインアップだ。

ここに掲載するのは新定番の「シャトル スリッポン ウォータープルーフ」。アッパーは頑丈なコーデュラナイロンで、オリジナルの防水メンブレンが貼られ水の侵入をガード。爪先もゴムで補強され、雨天時や悪路でも気兼ねなく歩ける仕様になっている。カップインソールは長時間歩行に配慮されてクッション性豊か。無駄を省いた機能美に満ちた、秀逸なミニマルデザインだ。

ムーンスターの新ヒットライン、実用靴インスパイア系のエイトテンス

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ふわりとした履き心地で新時代の足元をリードするスリッポン。左 ¥5,500(税込)、右 ¥6,600(税込)/エイトテンス(ムーンスター カスタマーセンター TEL:0800-800-1792)※左は3月、右は2月発売予定。

この2足を見るなり「ほしい!」と感じた人は、イマどきな感性の持ち主かもしれない。若い層を中心に人気急上昇中のエイトテンス(810s)の新作モデルだ。ハイテク感と絶妙な野暮ったさとが同居する、ダッドスニーカーの系譜を受け継ぐ味わい深さ。購入しやすいリーズナブルな価格も好印象だ。

デザインのベースがムーンスターの実用靴なことも大きな魅力。写真左は現代の学生用上履きを、柔らかく通気性のいいメッシュ素材とスキンカラーでブラッシュアップした室内外対応モデル。右は料理人用、看護師用のプロシューズをミックスさせ、ボリュームソールで仕上げたもの。踵を踏んでサンダル(サボ)にもできる。身も心も心地よく過ごしたいニューノーマルの日常にふさわしいラインアップだ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。