ルノー・アルカナで巡る、キュレーターが推薦するパリのアートスポット

  • 写真:小野祐次 
  • 文:大島 泉
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フリー・キュレーターのマルタン・キーファー。ルーヴル美術館でコンテンポラリーアートのキュレーターを15年務めた経歴をもつ。

とっておきのアートスポットを案内します

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セーヌ河畔の大きな石がゴロゴロ敷かれた石畳も、アルカナなら揺れず余裕の走り。エッフェル塔の優美なラインと、アルカナの後ろ姿には、共通するエレガンスがある。

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ルーヴル美術館の中でも、世界一名高く、キーファーにとっても思い出の多い『モナリザ』と。年に一度、壁から外して学芸員らが点検する日に歌手パティ・スミスを招待したこともあるそうだ。

新型クーペSUVであるルノー・アルカナに乗ってパリのアート事情をナビゲートするのは、フリー・キュレーターのマルタン・キーファー。ルーヴル美術館でコンテンポラリーアートのキュレーターを15年務めた経歴をもつ。古典美術で名高いルーヴル美術館だが、コンテンポラリーアートの展示も積極的に行われている。取材した2021年12月には、ガラスの作品で有名なジャン=ミッシェル・オトニエルの絵画が、大理石のフランス彫刻の隣に配置されていたりする。我々日本人にも馴染みのある名和晃平の巨大彫刻「THRONE」(2018年)が、ガラスピラミッドのなかにつくられたのも記憶に新しい。

現在、キーファーはコロナ禍のロックダウンを経てパリから約80kmの距離にあるフォンテーヌブローの森に近い田舎町に家を購入、そこに住んでいる。

自宅からパリ、そしてアート巡りへと駆け回る今日の足は、クーペSUVという新しいジャンルに属するルノー・アルカナ。フロントからリアまで自然に弧を描く美しいラインと鮮やかなオレンジが目を惹く。新しいハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」を採用した日本導入間近の最新モデルだ。

1.マレ地区の「狩猟自然博物館」で、古典美術とコンテンポラリーアートの融合を楽しむ

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狩猟美術館の展示室にて。マレ地区の邸宅に残る歴史的な装飾と、狩猟にまつわるオブジェに囲まれて企画展が行われる。現代アーティスト、エヴァ・ジョスパンの段ボール彫刻の大作『セノタフ』 (2020年)が異彩を放つ。www.chassenature.org

キーファーが最初に向かったのは、マレ地区。古い町並みは、一方通行の細い道が多く、有料駐車場も少ない。パリ特有のギリギリまで詰める縦列駐車がデフォルトの地域。サイズ以上にのびやかに見えるアルカナだが、こんなシチュエーションでも扱いやすい。駐車サポート機能も万全で、自車を俯瞰した映像を見ながら狭い駐車スペースにピタリと収めることができる。自動車の運転は、主に田舎の自宅周辺が多いというキーファーも「これならパリでも安心」と、アルカナの最新機能に感心していた。

「狩猟という行為自体に興味がなくても、自然と人間の関係性の歴史とアートをつないだ展示はぜひ観てほしい」とキーファーは「狩猟自然博物館」を案内してくれた。

狩猟愛好家であった実業家フランソワ・ソメールのコレクションを基に1966年に開館した「狩猟自然博物館」。開館当初はこじんまりした博物館だったが、徐々にその規模を大きくし、現在は1651年に名建築家フランソワ・マンサールが手がけたゲネゴー館と、1705年に建てられたモンジェラス館という2つの建物で展示されるまでに拡張。猪、熊、鹿、兎、狼、鷹など、古来人間が狩猟対象としてきた動物、そして猟犬などを剥製や彫刻などでの表現。加えて狩猟の舞台となった森など美しい自然の風景を描いた絵画まで展示する。そんなクラシックな雰囲気の中に、現代のアーティストが個性的なアプローチで狩猟や自然を題材にしたアート作品が同居する。

キーファーが注目していたのは、現代アーティスト、エヴァ・ジョスパンの企画展『ギャレリア』(開催中〜2022年3月20日)。「ルーヴルでもコミッションワークを展示したエヴァ・ジョスパンは、段ボールに彫刻を施した作品で知られています。緻密な彼女の作風は、今回の展示でさらに進化し、段ボールや木の枝にツタや貝殻などを組み合わせ、壮大な異空間をつくり上げています」とキーファー。「アントワープの現代アーティスト、ヤン・ファーブルによる小部屋など、ここにしかない特別な作品ばかり。自然と動物をテーマにした様々なアート表現に出合え、いつ訪れても発見があります」とお墨付きだ。

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2.「ストルーク・ギャラリー」で、物語的具象派やフランスの新進アーティストの作品に出合う

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ソルボンヌで美術史を学んだ学友だったというマリーと語り出すと話が尽きない。「ストルーク・ギャラリー」のある、美しいマティニヨン通りにアルカナのシルエットと鮮やかな色が映える。

次の行き先は、シャンゼリゼとチュイルリー公園に近い瀟洒な地区「マティニヨン通り」にあるギャラリー。

パリで、ギャラリーの多い界隈というと、長年、左岸サンジェルマンデプレの、美術学校近くの「セーヌ通り」あたりと、「マレ地区」と言われていたが、このところ急上昇中なのが、右岸の「マティニヨン通り」だ。大統領官邸、シャンゼリゼ、ブリストルなどの五つ星ホテルに挟まれるリュクスな一角に、クリスティーズとサザビーズとアールキュリアルの3軒のオークションハウス、そしてパリを代表するトップギャラリーが並んでいる。その中でマルタンのお勧めは、オスマン様式の白く美しい邸宅の「ストルーク・ギャラリー」だ。

以前はサンジェルマン界隈にギャラリーを構えていたオーナーのローラン・ストルークがこの場所にギャラリーを移転させたのは10年前。ウォーホルなどのポップアートやバスキアなどを中心にしてきたのに加え、フィギュラシオン・ナラティヴ(物語的具象派)の流れを汲む、ロベール・コンバス、エドゥアルド・アロヨ、ジェラール・フロマンジェ、ジャック・モノリなどのアーティストも扱う。

キーファーの目的はギャラリーのディレクター、マリー・ラボルドのキュレーションによるフランス人若手アーティスト、ヴァランタン・ヴァン・デル・ムーレンの個展。ニュースやドキュメンタリーに使われた写真を元に描いたモノクロの油絵に、更に加工を加えた作品。写真本来のメッセージ性の意義を問う手法が特徴の作家だ。「一人ひとりのアーティストを大切にし、個展ごとに本格的なカタログを出版している画廊です。扱うアーティストに一貫性があり、どの展示も見応えがあります」とキーファー。次の個展は、アイスランド出身アーティスト、フィギュラシオン・ナラティブを代表するグドムンドゥル・エロを予定している。

ギャラリー前に駐まるアルカナを見て、キーファーは「この人目を集める鮮やかなオレンジ色と、SUVでありながら完全にクーペらしい特徴的なシルエットは、ポップアートのよう。目立つけれど、子どもっぽさはなく、はっきりと自己主張をする色なので、自分のスタイルに自信のある大人のクルマです」と語った。

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「ストルーク・ギャラリー」のディレクター、マリー・ラボルドと。フランスのアーティスト、ヴァランタン・ヴァン・デル・ムーレンの個展は、現代社会について考えさせられる作品。www.laurentstrouk.com

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3.巨大なアートセンター「パレ・ド・トーキョー」の書店で、ブックハント

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「パレ・ド・トーキョー」前の中央分離帯の駐車スペースに、鮮やかな姿を見せるアルカナ。奥に見える鉄細工の美しい門と白い館は「パリ市立ガリエラ美術館・モード&コスチューム博物館」。こちらも、お薦めのアートスポット。

さらにパリの西へ。キーファーのお気に入りのアートブック専門店へ向かう。エッフェル塔を臨むセーヌ河畔に建つ、巨大なアートセンター「パレ・ド・トーキョー」内のブックショップだ。

「ソルボンヌで19世紀美術を学んでいた私が現代アートと出合ったのは、18年前。ここのチーフキュレーターをしていた三木あき子さんのアシスタントをしていたときです。2000年にオープンしたパレ・ド・トーキョーは、1937年のパリ万博のパビリオンをベースにした古くて広い建築がベースです。当時から、画期的な場所でしたが、今ではヨーロッパのコンテンポラリーアートシーンで最も注目されている場所でしょう。常にイベントや企画展など、面白いことが起こっています。わざわざパリを横断してでも来る価値があります」

広々とした書店は、ドイツ・ケルンを本拠地とする老舗アート系出版社兼書店「ウォルター・ケーニッヒ」と、パリの美術雑誌社「カイエ・ダール」のコラボレーションから生まれた。アーティストに関する本やカタログはもちろんのこと、現代アート、建築、デザイン、ファッション、映画などの様々な書籍が、フランス語を中心にさまざまな言語で揃っており、さらに、カードやステーショナリー、デザイングッズなどもセレクトされている。「探していた本が見つかるだけでなく、新しい画集やアーティストの発見も多いです」とキーファー。

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広々と明るい店内に、アート本が整然と並ぶ「リブレリー・デュ・パレ」。この日のキーファーは、ルーヴル美術館に天井画を描いたこともある米国の現代アーティスト、サイ・トゥオンブリーの作品集に見入っていた。www.palaisdetokyo.com/en/page/bookshop

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運転してみれば誰もが実感できる、新しいハイブリッド

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サンジェルマンデプレの、ボザール(美術学校)近くの名高いカフェ「パレット」前の通りを行くアルカナ。一方通行ばかりの細い路地や、狭いスペースへの縦列駐車も、意外なほどスムーズなのは、運転アシスト機能の充実と、見かけよりコンパクトなサイズによるものだ。

パリのアート探訪を続けるなら、この後、ボザール(美術学校)近くのサンジェルマンデプレのギャラリーを回ってもよいし、いつもオリジナリティに満ちた大型展示が楽しいカルティエ財団のミュージアムまで足を伸ばしてもよい。

パリは渋滞の多い街中に加え、日本より高い速度でスムーズに流れる大通り、石畳の広場もあり、ストップ&ゴーの運動性能や足回りのしっかりさも問われるクルマにとっては過酷な場所。「ハイブリッド」と聞くとマイルドな性能をイメージするが、ルノーが新開発した「E-TECH HYBRID」はそんなことはない。内燃機関に近いメリハリのある走りができ、なおかつモーターとエンジンとの切り替えもスムーズで自然。低速域ではエンジンがかからず無音で滑らかに走り出し、アクセルペダルを踏むと力強いレスポンスで反応し小気味良い加速をみせる。エンジンに切り替わっても車内は驚くほど静かだ。

フランスでは、ディーゼル車に代わる燃費効率で台頭してきたハイブリッド車。ルノーが新開発したハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」の優秀さは、運転してみれば誰もが実感できる。クーペSUVの優雅かつシャープなスタイルと、街中対応できる絶妙なサイズ、そして長距離ドライブも安心な力強さ……ルノー・アルカナは、これからの時代にふさわしい存在だ。

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ルーヴル美術館のフランス絵画の展示室「サロン・ルージュ」で、ジェリコーの名作『メデューサ号の筏』を前にするキーファー。実際に起こった海難事故を画材にした大作は、塗料にアスファルトを使っていたため、次第に黒い色が広がってしまい、修復もできないのだそう。ルーヴル美術館の数々の名画でも特別な思い入れのある作品。マルタン・キーファーのインスタグラムにも注目。www.instagram.com/martinpkiefer/?hl=fr

ルノー・アルカナ
Renault Arkana

https://www.renault.jp/car_lineup/newcoupesuv/index.html

ルノー・コール

TEL:0120-676-365