腕につけたままでケースを反転できるジャガー・ルクルトの「レベルソ」。誕生90周年を記念し世界初の超複雑機構搭載モデルや、新時代の到来を告げる限定モデルが登場した。
2021年4月にオンラインで開催された国際的な時計発表会「ウォッチズ&ワンダーズ」(旧名SIHH)で、ジャガー・ルクルトは時計マニアも絶句させる超複雑時計を披露した。腕につけたままでケースを反転できる「レベルソ」の誕生90周年を祝した特別限定モデル「レベルソ・ハイブリス・メカニカ・キャリバー185 」だ。
ひとつのムーブメントでなんと4面のダイヤル表示を駆動するだけでも世界初の驚異だが、トゥールビヨンや永久カレンダー、ミニッツリピーターなどの複雑機構を搭載。これまでの技術蓄積を最高度に凝縮して究めた、まさに歴史に残る金字塔といえるだろう。
ジャガー・ルクルトは「複雑時計の聖地」とされるスイス・ジュウ渓谷で1833年に創業。世界に先駆けて開発した1/1000mmを正確に測定できるミリオノメーターにより、小型・薄型ムーブメントや高度な複雑機構を実現、評価を高めてきた。そんなメゾンが1931年に手がけたのがレベルソだ。イギリス軍将校から「ポロ競技の際に腕につけても壊れない時計」を依頼され、ケースを裏返して風防を保護する仕組みが発案された逸話は、広く知られる。
すぐに大成功を収めるも、第二次世界大戦後の慌ただしい時流とは合わず、クオーツショック時には忘れ去られていた。だが、イタリアの販売代理店がデッドストックのケースに機械式ムーブメントを搭載し完売させたことが契機となり、85年に生まれ変わったレベルソが発表された。
当時の最新の数値制御工作機械により、角形時計では難しい防水性・防塵性を備えただけでなく、反転機構も操作性が大幅に向上。これが現代に至るレベルソの直系ルーツとなり、快進撃の火蓋を切ることになる。93年にトゥールビヨンを生み、94年には世界初の長方形ミニッツリピーターを搭載。同年には裏側にもダイヤルをもつ「レベルソ・デュオ」も発表した。以後も18の機能を備えたグランド・コンプリケーションや2軸のトゥールビヨンなど多彩な複雑機構を小さな反転ケースに凝縮。今回のキャリバー185はその頂点に位置するが、もうひとつの90周年記念限定モデル「レベルソ・トリビュート・ノナンティエム」では針ではなくデジタルで時間を告知する新たな表示形式を導入した。
ただし、基本的なスタイルはオリジナルを継承。ケース上下のゴドロン装飾と優美で幾何学的なアールデコ様式は変わっていない。
完全に密着しているように見えるケースを横方向に押し出してから反転。再びスライドしてカチリと元に戻した時の心地よさは快感といっていい。歴史を守りながら、なお飛躍を続けようとする強靱な意志が、90周年記念モデルから読み取れるのである。
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REVERSO HYBRIS MECHANICA CALIBRE 185(レベルソ・ハイブリス・メカニカ・キャリバー 185)
6年以上の歳月を費やして開発、世界初の4面ダイヤルモデル
ケースの表と裏に加えて、台座の両面にもダイヤルがあり、これをひとつのムーブメントで駆動する世界初の超絶複雑時計。2006年にケースの裏側に加えて台座内側に3番目の表示を設定。この実績を踏まえた進化として、台座の外側に4番目が追加された。11の複雑機構を搭載。左はケース表側。トゥールビヨンと永久カレンダー、昼夜表示も装備。
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REVERSO TRIBUTE NONANTIÈME(レベルソ・トリビュート・ノナンティエム )
クラシカルな意匠と独創的なデジタル表示で、コントラストが際立つ2面表示の記念モデル
2面ダイヤルを再解釈して、さらなる進化を遂げた。裏側に新たな表示形式を導入した90周年記念モデル。表側はクラシカルだが、裏側はレベルソ初のセミジャンピングアワーを採用する。三重に縁取りされた8の字形の開口部の小窓で、時間をデジタル表示し、約5分で数字が切り替わる。分は下部でディスクが回転して表示する。中央のサークルは太陽と月が交替で顔を出す昼夜表示。
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REVERSO TRIBUTE SMALL SECONDS(レベルソ・トリビュート・スモールセコンド)
絶妙なラッカー仕上げを採用し、誕生初期のカラーリングを表現
初代レベルソはダイヤルカラーもアヴァンギャルドだった。シルバー全盛だった時代に視認性を考慮してブラックを採用。ブラウン、レッドなど鮮やかな色彩も次々に導入した。そんなアールデコ期を象徴するデザインコードに立ち返ったのが「トリビュート」シリーズで、初期に使われていたグリーンを復刻。ラッカー仕上げの深緑色が美しい。裏面はイニシャルの刻印などパーソナライズできる。
ブティックにてウィンターワンダーランド ホリデーキャンペーンを開催中!
ジャガー・ルクルトのブティックでは、自社の工房があるスイス・ジュウ渓谷を感じるホリデーキャンペーンを実施中。モミの木のクリスマスツリーから漂う冬の香りに包まれながら、ブティックでの買い物を楽しみたい。
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<ジャガー・ルクルト ブティック>
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