中国を代表する建築家が綴る、自らの設計と建築への思い『家をつくる』

  • 文:今泉愛子

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『家をつくる』王澍 著 市川紘司/鈴木将久/松本康隆 訳 みすず書房 ¥5,280(税込)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を中国で初めて受賞した建築家、王澍(ワン・シュウ)が建築について綴る。まず驚かされるのは、文学や美術、歴史への造詣の深さだ。中国の伝統を反映した建築の在り方を思索。さらに、中国美術学院象山キャンパスや杭州の中山路など、自らの建築の完成に至るまでのプロセスを豊富な写真とともに詳述。ときには模型をつくらず想像に重きを置くなど、建築の背景にある思想もよくわかる。美術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)とのやり取りも興味深い。

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