〝餃子の王様〟が教える、絶品餃子レシピ

  • 写真:小野広幸
  • 文:吉田桂

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〝餃子の王様〟の異名をもつパラダイス山元さんによる絶品レシピ。常に試作を重ね、進化し続ける最新&最高のつくり方を惜しげもなく伝授!

美味さの秘密は愛情と、あの栄養ドリンク?

「材料も包み方も焼き方も、いろいろ試してみて、やっぱりこれがいちばんおいしい。材料に関して言えば、豚肉とキャベツが基本です。臭いを気にせずたっぷり食べたいから、ニンニクは入れずに。そして忘れてはならないのが栄養ドリンク剤。生薬がたっぷり入っていて、複雑な風味が出るんです。味のバランスを考えると『ゼナキング』がベストですね」と語るパラダイス山元さん。

皮を重ねると歯ごたえがよくなるため、ひだを上手につくるのが重要。焼く時は、外はカリッと香ばしく、皮はもっちり、中はしっとり仕上げるため、ゴマ油をたっぷり使って蒸し焼きする。

「アレンジするなら、豚肉をラムや鶏、鴨にしてもいいですね。野菜にズッキーニや明日葉、筍を加えてもいい。春雨やフォーなどの麺類を入れると、食感が変わって面白いですよ」

まずは基本のゼナキング餃子をマスターして、徐々にマイベスト餃子へとアレンジしていこう。

「ゼナキング餃子」の材料(80個分)

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セロリ 1/2本
長ネギ 1本
ニラ 1束
豚バラ薄切り肉 400g
豚ロース薄切り肉 400g
ゼナキング 大さじ1
紹興酒 大さじ3
ゴマ油 大さじ6
黒コショウ 大さじ1
鶏ガラスープの素 大さじ1
塩 大さじ1
砂糖 大さじ1
キャベツ 1/3玉
ショウガ 半分(皮のまますりおろす)
干しシイタケ 6個(もどしておく)
はんぺん 1枚

餡以外につかう材料
餃子の皮 80枚
ゴマ油 大さじ3╳3
沸騰した湯 80cc╳3
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〜餡をつくる〜

1. 肉を切る。

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豚バラ薄切り肉と豚ロース薄切り肉を3㎜幅で切る。肉の繊維を残すように切ることで、肉ならではの食感が感じられ、おいしさがアップする。フードプロセッサーを使ってもいい。

2. 肉に味をつける。

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[1]におろしたショウガ、ゼナキング、紹興酒、調味料(ゴマ油、塩、砂糖、鶏ガラスープの素、黒コショウ)を入れ、よく混ぜ込む。肉に味を染み込ませるイメージで、手でつかんでは指の間から絞り出す作業を繰り返す。ムラなく混ぜたら、ビニール袋に入れて冷蔵庫で30 分間寝かせる。肉と野菜を合わせてから調味料を加えると、野菜ばかりに味が染みてしまうのでNG。

3. 野菜を切る。

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キャベツ、セロリ、長ネギ、ニラ、水でもどした干しシイタケ、はんぺんをすべてみじん切りにする。肉と同じく、フードプロセッサーを使用してもいい。

4. 肉と野菜を混ぜ合わせる。

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大きなボウルに[2]と[3]を入れて、しっかりと混ぜ合わせる。均一に混ぜたら、ラップをして冷蔵庫でさらに10分間寝かせる。

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〜包む〜

1. 皮を選ぶ。

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ノーマルな皮は汎用性が高いが、もっちりとした歯ごたえが好きな人は「もち粉入り」、具の味を強調し軽やかな口当たりにしたい人は「うす皮」など好みの食感で選ぶと、より理想に近い餃子が仕上がる。皮はカリッ&もっちり、中はしっとりのゼナキング餃子では、もち粉入りがお薦め。

2. 皮を濡らして箱を乗せる。

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皿に張った水に皮の半分を浸して濡らす。濡らした指で水を付けるよりも簡単。皮の中央にナイフで餡をのせる。綴じ合わせやすいように、皮の端から2cm程度残しておく。餡をのせすぎないように注意。

3. 皮で餡を包み込む。

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左手の親指と人差し指で左端をつまみ、右手で餡を包み込むように皮をゆるく半分に折る。

4. ひだをつくる。

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右手の人差し指で、皮を内側から突き出すようにして、ひだをつくる。できたひだは左手の人差し指と親指でギュッとつまんで綴じ合わせる。皮の内側に付けた水分で、しっかりと皮を綴じ合わせる。水分が足りなければ、指を濡らして皮の内側に塗りつける。

5. 形を整える。

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[4]を繰り返して6~7個程度のひだをつくり、最後の隙間を右手の人差し指でつぶすようにして綴じる。最後に、隙間のないように綴じ目を端から端までつまみ形を整える。

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〜焼く〜

1. ゴマ油を熱して餃子を並べる。

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強火でフライパンを熱し、ゴマ油を大さじ1程度注ぐ。全体に馴染んだら、弱火にして外側から順に、円を描くように餃子を並べる(写真は、80個の1/3にあたる26個を並べている)。並べ終えたらさらに、餃子の上からゴマ油を大さじ1程度注ぎ、中火にして焼き目をつける。餃子が焦げつかないように、火にかけている間は常にフライパンを揺すっておくこと。根気が大切。

2. 焼き目をつけたら熱湯を入れ、蒸し焼きにする。

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キツネ色の焼き目がついたら、沸騰した湯80㏄をすべての餃子にかかるように回し入れ、蓋をする。蓋は決して開けず、中の餃子を全体的に少しずつ回転させるようにフライパンを揺すり続ける。水分が少なくなり、パチパチという音がしてきたら蓋を取る。熱が逃げてしまうので、音が聞こえてくるまでは絶対に蓋を開けないこと。

3. 皿をかぶせてひっくり返す。

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ゴマ油大さじ1程度をフライパンの縁側から回し入れ、さらにフライパンを小刻みに揺らす。ひとしきり揺らした後、余分な油を捨てる。フライパンに余分な油が残っていると、ひっくり返した時に油が垂れて火傷をする恐れがあるので注意が必要だ。餃子の上に皿をかぶせて、フライパンごとひっくり返したら完成!

完成!

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この記事はPen 2016年4/15号「1冊まるごとおいしい餃子。」特集より再編集した記事です。