外洋クルーザーをイメージした、クストスの新作腕時計はスクリューに注目

  • 文:笠木恵司

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ハイテクノロジー、スポーティ、エレガンスをキーワードとして独自の審美観に基づいた時計づくりを展開してきたクストスの2021年新作「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック」。スモールセコンドを大型のスクリューにアレンジしたことが特長。ブルーとホワイトを基調とした5種類のカラーバリエーションがある。写真は鮮やかなスカイブルーをPVD塗装したステンレス・スチールケースに18Kレッドゴールドをコンビネーション。自動巻き、ケースサイズ53.7×41㎜、ラバーストラップ、100m防水。¥2,255,000(税込)

陽光が煌めく大海原の波間を切り裂くように疾走するクルーザー。はるか遠くに見える水平線でつながった空はどこまでも青く澄み渡り、真っ白な雲があちこちに浮かぶ。こうした外洋船の世界観をラグジュアリースポーツの腕時計として表現したのがクストスの「チャレンジ シーライナー」コレクションだが、マリンテイストをさらに強調した新作が追加された。

「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック」は、スカイブルーのトノー(樽型)ケースに純白のラバーストラップの組み合わせ。カラーリングだけでも海と空をイメージさせるが、奥ゆきの深い立体的なダイヤルの6時位置にある大きなブルーのスクリューが今回の新作の際立った特長だ。スモールセコンドを3枚の羽根車にアレンジしたというだけでなく、クストスの技術力を示す特別な工夫が施されている。

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時計界の常識に囚われない発想

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ケースの両側面に舷窓をイメージした4カ所の開口部を設定。ケースバックもシースルーなので、スクリューを回す機関室といえるムーブメントをダイヤルも合わせて合計6カ所から視認できる。

このコレクションはセンターセコンド(時分針と同軸の秒針)を基本としており、調速脱進機は11時側にある。このうちガンギ車に連結された歯車(4番車)が秒針を回すため、調速脱進機を移動しなければ6時位置のスモールセコンドは不可能。そこで、ガンギ車に新しい輪列を追加して6時位置まで動力を延伸。ただし、この状態で大きなスクリューを回転させれば、微細なブレの発生も考えられるため、スクリューの中央下部のプレートに2つの微弱な永久磁石を配置。動きを安定させる新技術が導入されている。

時計に磁気は大敵なのだが、極めて微弱であるほか、前述したように精度に直結する調速脱進機は時分針の軸をはさんで真反対の遠くに位置している。磁力は距離の二乗に反比例して急激に弱くなるため、ムーブメントへの影響はまったくないという。デザインだけでなく、時計界の常識に囚われない斬新な発想を具現化できるブランドなのである。

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ラグジュアリーなイメージの18Kレッドゴールドケース。ホワイトのラバーストラップとのコンビネーションも抜群。他のスペックは前出モデルと同様。¥3,520,000(税込)

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メカニカルなオープンワークが航海の夢を誘う

クストスは2005年にスイス・ジュネーブで誕生。ラテン語で「守護神」を意味するブランド名に加えて「タイムキーパー」と標榜している。精巧な時計技術とオープンワークやスケルトンを活用した革新的なスタイルで、トノーケースをメインとして、陸・海・空をテーマにしたスポーティなコレクションを展開してきた。

今回の新作「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック」は、大胆なスクリュー型のスモールセコンドだけでなく、ダイヤルの奥には船舶のデッキで使用されている強靱なチーク材をストライプ状に配置。歯車などを支えるブリッジと接合しており、美観と耐久性の両方を兼ね備えているという。ケース両サイドの側面には舷窓を想わせる2つの開口部がそれぞれ設けられており、チーク材を下敷きとして浮かぶように配置された“機関室(ムーブメント)”を覗くことができる。

こうした理屈はともあれ、8本のビスで留められたケースのスカイブルーが鮮やかであり、船の形を模したオーバルの時分針とインデックス、そして縁の部分のホワイトが心地良くコンビネーション。メカニカルなオープンワークが航海の夢を誘ってやまないモデルといえるだろう。

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深い知性と落ち着きを感じさせるネイビーブルーをケース(ステンレス・スチールにPVD塗装)とラバーストラップに採用。他のスペックは前出モデルと同様。¥1,760,000(税込)

問い合わせ先/フランク ミュラー ウォッチランド東京 TEL:03-3549-1949

外洋クルーザーをイメージした、クストスの新作腕時計はスクリューに注目

  • 文:笠木恵司

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