コーヒー店取材で高級器具を薦められ、別の店で買った(ん?)

  • 写真・文:高橋一史
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ネット購入したハンディサイズのコーヒーミル「1Zpresso Q2」。

例えば、
メディアなどビジュアルづくりの仕事の場合。
フォトグラファー、スタイリストなどスタッフの誰かが口にしたアイディアを、その人の許可なく別の仕事で勝手に使ってはいけないのが業界の鉄則のルール。
アイディアこそ創作物ですから。

例えば、
ファッションブランドからいただいた土産やギフトの場合。
転売が厳禁なのは言わずもがなとして、そのブランドと無関係なただの知り合いに譲るのも基本NGなのがルール。
ブランドは愛情で贈ったのではなく、なんらかの利益還元を期待してのこと。
無関係のところに渡ってしまっては投資が無駄になるワケです。

それでは例えば、
店で詳しく説明してもらった商品を他店で買う場合。
これが微妙なんですよね……その店で買うべきなんでしょうが、他店のほうが安かったりポイントがついたりしますとね……。
取材に行った店ともなるとなおさら、ルール違反のモラル心がざわつくときもあり。

先日、とあるコーヒー店を取材しました。
東京・下北沢にオープンした、「オガワコーヒーラボラトリー下北沢」。
スーパーのコーヒー売り場にもパックが並んでる、京都・小川珈琲の東京出店2号店です。
ここで豆を挽くところから淹れ方まで、様々な器具を見せてもらいながらバリスタさんに詳しくご説明いただきました。
ふだんいく何軒かのコーヒー店では「いい器具使うとおいしいですよ」と言われても、「器具高いしなあ」くらいでさらっと会話が流れてました。

ところが今回じっくりと、家でコーヒーを淹れることについてバリスタさんと話をするうち、「この器具がないと、栽培農家の人が一粒ずつ手摘みした上質な豆のよさを引き出せないらしい」と自覚するに至り購入を決意。
それが豆を挽くグラインダー、すなわちミルです。
これまで使ってきたのは、電動・手動問わずプロペラ式の数千円の安価なミル。
挽いた粒の大きさがバラつき、淹れるたびに味が違う結果に。
(上質な豆だとそれでもおいしいですけど)
高級なミルを使えば常に好みの味をキープできるということで、お薦め品を何個か見せてもらい選ぶポイントも教えていただきました。

結果。
得た情報を元にネットで改めて調べ、自分に折り合いのつく製品を他店でゲット。
「え?教えてもらった店で買うべきって話でしょ?」
とお思いですよね。
いいんです!
オガワコーヒーラボラトリー下北沢では、コーヒー器具はほとんど販売してないんですから!
客がガチャガチャと器具をいじれるのに(分解もOK)、それはコーヒー文化を広めるための活動で、利益はコーヒー豆販売(&カフェ)という独特な運営スタイル。
取材の様子はネット記事になってますので、この記事最後に貼ったリンクよりのちほどチェックしていただければ。

さてミルの話なんですが、薦められたのは手回しでも6万円ほどする最高級品。
ただプロユースの厳密さは私には分不相応ですし、多くの豆をいちどに挽くこともありませんので、定評のある1Zpressoの1〜2杯用に決めました。
ネット購入で約2万円ほど。

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どうやら正面でなく裏側を撮影したっぽい……。四角いロゴマークが逆側にありました。シンプルなこっちの面のほうが好みなもので、なんの疑いもなくここを撮っちゃいましたよ。

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使うときはこの3つにセパレート。ずしりとくる重さがある精密機器という印象です。

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ここまで細かい必要ある?と思うやりすぎ感が頼もしい調整ダイヤル。数回転させて、さらにカチカチと微調整します。粗挽きからエスプレッソ用まで思いのまま。

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一杯分10gの豆専用計量カップ「SCOOP」も入手。味が安定するようになりました。

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このミルのグラインドは臼式。砕くのでなく切るというイメージのようです。

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どうですか!?目でみるとだいぶ粒が揃った中挽き。私の常用コーヒー豆は浅煎りシングルオリジンですから、酸味を適度に出す中挽きがコツになります。

手回しハンドルを回して硬い浅煎りの豆を挽いても、軽い力でスムーズに動き素早く終わることに驚き、できあがった粒が揃ってることに再びびっくり。
不満なら買い換える可能性も考慮しつつ2万円に抑えたものの、私にはたぶん将来的にも必要十分。
長年使っても壊れそうにない堅牢度ですし、木材の温もりも心地よく。
アウトドア用途が想定されてるみたいですね、この製品。

オガワコーヒーラボラトリー下北沢は、新商業施設の「リロード」内1階の正面入口にもっとも近い場所にあります。

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普通にカフェとしてバリスタさんに淹れてもらった一杯を味わってもいいし、客が器具にトライして自分で淹れることもできる個性的な店。

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取材のとき京都から来たベテランバリスタさんが真剣な顔でコーヒーの濃度と糖度を測ってる様子を目にして、「いい豆はちゃんと飲もう」と反省。

施工からオープンまでを追っかけた記事を、ぜひぜひご覧くださいませ。

【京都・小川珈琲が下北沢に出店。客が挽いて淹れる、コーヒー道の極みをご堪能あれ!】

All Photos © KAZUSHI

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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