ひきこもりを経験した美術家の表現など、“ダイバーシティ”を感じる作品が集結!

  • 文:野村萌々

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『同じ月を見た日』アーティスト:アイムヒアプロジェクト│渡辺篤 ひきこもりを経験した当事者でもある渡辺篤は、コロナ禍にあった2020年4月「家から月を見てみませんか? 私たちは離れていても同じ月を見ることができます」というメッセージをウェブサイトやSNS などで発信。それぞれの場所から月の写真を撮影する参加者を募集した。

アートプロジェクトターンは、8月17日〜8月19日の3日間、東京都美術館にて、ターンフェス6「出会いが広がる」を開催し、アーティストとさまざまな団体との共働活動を通して生まれた表現の展示や映画上映を行う。また9月5日まで特設ウェブサイトにて、パフォーマンス映像や制作プロセスの紹介を行い、さまざまな表現やアーティストたちとの出会いを広げ、アクセシビリティやダイバーシティに関する理解を深める機会をつくっていく。

ターンは、障害の有無、世代、性、国籍、住環境などの背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いによる相互作用を、表現として生み出すアートプロジェクトとして、アーティストである日比野克彦監修のもと2015年より始動し、持続性のある活動のあり方を思考してきた。

東京都美術館で行われるターンフェス6では、ひきこもり経験のある現代美術家・渡辺篤によるコロナ禍でさまざまな人とのつながりを「月を見る」ことで共有・想像する映像プロジェクションや、「12フィートの木材を持ってあるく」ことで、きわめてスローな時間軸の中で身体感覚と向き合ってきた山本千愛の記録映像といった8作家と9組の展示を行われる。また、路上生活経験者のダンス集団による身体表現を描いたドキュメンタリー映画『ダンシングホームレス』など全 7作品を上映し、マイノリティや生きづらさを抱える人の日常や活動を映し出す。

特設ウェブサイトでは、永岡大輔と障害児者支援施設「はぁとぴあ原宿」によるワークショップや、ラッパー・マチーデフが吃音の人と取り組んだオリジナルラップの制作プロセスを公開するなど、ターンに参加する多様なアーティストによる活動や表現を動画、写真、テキスト、音声などで公開する他、アーカイブ映像や書籍の朗読等を多彩な形で全19コンテンツを展開。また、毎週土日の定時に各プログラムの見どころを紹介する「ターンTV」、音で楽しむ「ターンTunes」を配信し、より豊かに各プログラムを楽しめる。

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『かたちのない手ざわり/接地面をなぞる』アーティスト:山本千愛 「12フィートの木材を持ってあるく」という表現行為を行ってきた山本千愛は、人々が営む日常の生活やリズムから逸脱し、スローな時間軸の中に身をゆだねることによって現れる身体感覚と向き合い、想定外な状況や人との出会いに遭遇。山本が東京を歩いた12日間の旅路を記録した映像を公開する。

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TURN フェス6:東京都美術館
開催日時:8月17日(火)〜8月19日(木)
開催時間:9時半〜17時半(入室は閉室の30分前まで)
開催場所:東京都台東区上野公園 8-36 東京都美術館 ロビー階 第1・第2公募展示室、講堂
入場無料
TURNフェス2021特設ウェブサイト
TURN公式ウェブサイト


※開催日時・内容などは変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。