肉厚の皮がモチモチッな、東京の焼き餃子3軒

  • 文:高野智宏(P1)、山澤健治(P2~3)
  • 写真:大河内禎

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近年東京に急増する餃子専門店。そんあ数多ある店の中でも間違いないのはこの3軒!

1. 順順餃子房 秋葉原店/秋葉原

歯ごたえのある皮と、瑞々しく香り高い餡とのハーモニー

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歯ごたえしっかりの皮と、チキンスープの旨味やネギ油の風味も豊かな餡が好バランスの看板メニュー。女性ファンも多い、順順特製餃子1人前5個¥280(写真は2人前)

つまみや一品料理、麺類に飯ものと、豊富でリーズナブルなメニューをラインアップする、ザ・中華料理店。しかし店名に“餃子房„と冠するだけあって、その主役はもちろん餃子だ。しかも、焼きに水、蒸しに揚げと、実に12種類もの多彩な味わいを揃える。

スタンダードな順順特製餃子は1つ約30gと、中華系餃子らしい食べごたえのある大きめのサイズ。皮は独自にオーダーした店のオリジナルで、その弾むような食感がなんとも心地よい。

皮を破ったとたん、待ってましたとばかりにアツアツの肉汁が口の中に広がるが、これは餡にチキンスープを練り込んでいるため。そんな瑞々しい餡は、やや大きめにカットされたキャベツの歯ごたえが存在感を主張するさっぱりした味わいで、大ぶりながら1人前などペロリといける。いやそれどころか、ネギ油の香ばしい風味に箸が止まらなくなるのだ。

大葉入り海老餃子や完全自家製食べるラー油入り水餃子など、どれもが素材の味を十分に感じる、旨味が凝縮された味わい。餃子好きならば、餃子のほか90種類以上の料理も¥3,480で食べ放題(かつ飲み放題!)となるコースで、食べ比べてみても面白い。

なお仕込みの都合上、餃子の提供は13時以降となり、ランチで食べることはできない。ならばその枯渇感も隠し味に、餃子の晩餐を存分に楽しもうではないか。

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エビのプリプリした食感とさわやかな大葉の香りが、特製餃子とガラリと異なる上品な印象。大葉入り海老餃子、1人前3個¥380。ほかにも水餃子や揚げ餃子、蒸し餃子にニラ饅頭など、12種類ものリーズナブルで多彩な餃子メニューが揃う。

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店は秋葉原駅中央改札口から徒歩約5分。昭和通りを越えた裏路地に。広い店内にはテーブル席のほか、6〜7名収容可能な個室も。

順順餃子房 秋葉原店

住所:東京都台東区台東1-7-2 秋州ビル1F
TEL:03-5761-4323
営業時間:11時〜23時 
定休日:無休
http://junjungyouza.com
※営業日時・内容などが変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。

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2. 大連/大森

父の味を継承する、愛らしい三日月型の絶品羽根付き餃子。

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餃子の種類は豊富で、茹でも蒸しも絶品。だが、不動のいちばん人気は、三日月型の羽根が意匠のこの焼き餃子。7個¥370(写真は2人前)

羽根付き餃子といえば、誰もが大田区蒲田のいわゆる“羽根付き餃子御三家”を想起するだろう。だが、蒲田の御三家とは親族関係にある八木龍夫さんが、父から受け継いだ中国・大連の家庭の味をかたくなに守る、大森の老舗「大連」の羽根付き餃子も、御三家の餃子に劣らない逸品だ。

見た目にも華やかな、三日月型の羽根付き餃子は、繊細で優しい味わいの宝庫。幾重にも重なる旨味のレイヤーに、繊細でていねいな仕事ぶりが反映されている。パリパリの羽根。薄くてなめらかな皮はカリッとした焼き目の食感にモチモチ感が後を追う。そして、餡。噛んだ時に歯ごたえよく、肉汁がたっぷりあふれ出すように、豚肉のモモとバラの合い挽きは軽く練り上げる程度にとどめている。

繊細な味わいに拍車をかけるのが、餡の中で静かに主張する白菜とショウガだ。キャベツでは甘みが強すぎ、ショウガなしで清涼感ある味にまとめるのは難しい。

さらに、旨味に追い打ちをかけるのが、餡に練り込まれた特製スープの煮こごり。豚骨や鶏ガラのほかに魚のアラなどを加え、6時間ほど煮込んだ餃子専用の特製スープは、一昼夜寝かせると、表面に旨味成分の凝縮したラードとゼラチンの層ができる。その煮こごりを餡に混ぜることで、さらなるコクを加えているというわけだ。

主張し過ぎない優しい旨味は、地道な努力の結実にほかならない。

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常連客がこぞって頼む、刻みニンニクがたっぷり入った特製ダレ。卓上には用意されていないのでご注意を。

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熱した鉄板に餃子を並べ、湯で溶いた小麦粉を流し込む。鉄板の形に羽根が広がり、独特の丸い形状が完成。

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大森の住宅街にある名店らしく、訪れた家族の一人ひとりが満足できる、繊細で優しい味がここの醍醐味。

大連

東京都大田区山王1-25-14 
TEL:03-3776-7944
営業時間:11時30分〜13時45分L.O.、17時〜21時45分L.O.
定休日:火
※営業日時・内容などが変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。

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3. 曽さんの店 代々木店/代々木

ひと口で2度おいしい、小龍包風でっかい餃子。

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小龍包の旨味をもつ餃子は、酢に黒コショウをたっぷり加えたタレで味わうのがお薦め。¥40プラスすれば、ライスとスープとザーサイが付く餃子セットが味わえるのもうれしい特典。焼き餃子6個¥570

餃子はパリパリの薄皮がいちばん。そんな常識を覆すのが、代々木にある「曽さんの店」の焼き餃子だ。

まずはその大きさに注目してほしい。大ぶりな俵形の餃子は、1つなんと42ℊ。箸で持ち上げた時のずっしりとした重量感に期待を膨らませながら、まずはガブリと頬張れば、あふれ出る肉汁の旨味の後に、焼き目はカリッと、そのほかの皮はしっとりモチモチッと、肉厚の皮の食感がおいしい二重奏を奏で出す。この焼き餃子と水餃子を同時に噛み締めているような感覚が、なんとも美味で食べごたえ十分。ひと口で2度おいしさが広がる。

通常、餃子がでかいと、その分、あらも目立つものだが、この餃子はさにあらず。鍋に湯を注ぎ、6分ほど餃子を茹でてから湯を捨て、サラダ油とゴマ油の混合油でカリッと焼くこと2分。茹でることでもち米粉入りの皮のモチモチ感を引き出し、食感の二重奏を生み出しているのだが、そのためにも、また肉汁を閉じ込めるためにも、肉厚の皮は不可欠。緻密な計算の賜物なのである。

あふれ出す肉汁の旨味も格別だ。実はこの餃子、台湾出身の曽さんが小龍包をベースに考案したもの。餃子であり、小龍包の味覚も楽しめるオリジナル餃子は、その意味でも、ひと口で2度おいしい餃子なのである。

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秘伝のタレで味付けした餡には豚肉をたっぷり使い、ニラと玉ネギが香りを添える。つくり置きや冷凍はせず、毎日、営業前に餡を包む。

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小麦粉にもち米粉を混ぜた手づくりの皮は、ひとつ20ℊのボリューム。麺棒による手延べ作業も2回ほどにとどめ、皮の肉厚さを保っている。

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JR代々木駅西口を出てすぐ、「でっかい餃子」の文字が躍る赤い看板が目に入る。通し営業で使い勝手もよく、昼夜問わずの大賑わいだ。

曽さんの店 代々木店

住所:東京都渋谷区代々木1-33-2 
TEL:03-3375-1868
営業時間:11時〜深夜1時L.O. 
定休日:無休
※営業日時・内容などが変更となる場合があります。事前に確認をお薦めします。

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この記事はPen 2016年4/15号「1冊まるごとおいしい餃子。」特集より再編集した記事です。

肉厚の皮がモチモチッな、東京の焼き餃子3軒

  • 文:高野智宏(P1)、山澤健治(P2~3)
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