「神の手」をもつ孤高の天才時計師、ミシェル・パルミジャーニとは?

  • 文:笠木恵司
  • イラスト:西田真魚

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初代ブレゲを筆頭に、時計界では多くの天才を輩出してきた。現代の時計技術やデザインを大きく飛躍させたカリスマたちを紹介する。今回は、「神の手」をもつ屈指の修復技術者、ミシェル・パルミジャーニに注目した。

専門家でも内部構造が解明できず、修復不可能とされた古時計を現代に甦らせたことで、「神の手」をもつと称賛された天才時計師がミシェル・パルミジャーニだ。彼の歩みは決して順風満帆ではなかった。1950年にスイス・ヌーシャテル州のクヴェに生まれ、75年に時計学校を卒業したが、69年に発売されたクオーツ時計が世界を席巻していたからだ。それでも「伝統的な時計技術を失うことは破滅を導く破壊行為だ」として、75年に自らの工房を開設。その信念が実ったからこそ、マニュファクチュールであることに強いこだわりと誇りをもっているのだ。

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ミシェル・パルミジャーニ
Michel Parmigiani (1950~)

1996年に彼の名前に地名を加えた時計ブランド、パルミジャーニ・フルリエを設立。ヒゲゼンマイから製造する本格的なマニュファクチュールとして発展している。

210715-03.jpg「ブガッティ」。クルマのエンジンからモチーフを得たシリンダー型のケースが特徴。歯車の輪列が水平ではなく、垂直に並んでいる。

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※Pen2017年12/1号「腕時計100の物語」特集よりPen編集部が再編集した記事です。