本物を知る、5人のクロムハーツ愛用者たち

  • 写真:操上和美
  • 文:行方 淳
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本物は宿命的に本物を呼ぶ。そこに理屈など必要ない。写真家・操上和美が切り取る、リアルな愛用者5人の肖像。


一度虜になってしまうと、 その魔力からは逃れられない。

-Tadanori Yokoo-



横尾忠則(よこお・ただのり)●1936年、兵庫県生まれ。美術家。大規模な個展『GENKYO 横尾忠則』が7/17から、パリのカルティエ現代美術財団の横尾が作家の肖像画を描いた個展『The Artists』が7/21からそれぞれ開催。 www.tadanoriyokoo.com

クロムハーツのデザイナーであるリチャ ード・スタークと横尾忠則の出会いは1996 年。互いのクリエイションを最大限尊敬し合う仲だ。「リチャードは常になにかを考えていて、会話の中から作品を生み出す。それはマジカルな才能だ。だから一度クロムハーツの虜になるとその魔力から逃れられないのだと思う。その魅力をひと言で表すならば『徹底した自己愛に似た、自作への愛』だろう」

カットソー、中に着たTシャツ、ベルト、パンツ、サングラスはすべてクロムハーツで本人私物。


その存在自体が魅力的。 理由なんて必要ないんです。

-ZORN-


ZORN(ゾーン)●1989年、東京都生まれ。ラッパー。東京下町、葛飾区レペゼン。最新アルバム『新小岩』は iTunes総合チャート、Billboard総合チャートで1位を獲得。今年 9月に、ワンマンライブ『無題』 at 横浜アリーナの開催が決定。

「格好いいから」。クロムハーツを身に着ける理由をそう即答するゾーン。少年時代から憧れ続け、いまも魅力は変わらな い。「どこか鈍く重厚でソリッド。存在そのものに惹かれます。お洒落に格好よく身に着けることに興味はありません。どう見られるかを気にする人にクロムハーツは似合わないと僕は思うから。自分の“スタイル”をもつ人こそ、似合うものなんだと思う」

ネックチェーン、ペンダント、セーフティピン、リング、ブレスレット、ピアスはすべてクロムハーツで本人私物。


比較する対象すらない。まさに「本物」だと思う。

-Keijiro Komori-


小森啓二郎(こもり・けいじろう)●1976年、東京都生まれ。COMOLIデザイナー。文化服装学院を卒業後、大手セレクトショップに入社 。2011年に自身のブランド、COMOLIを設立。新しい時代のオーセンティックな服を探求し続けている。

「本物だけを身の回りにおいておきたい」。それは感性を研ぎ澄ませるために、デザイナーにとって必要な作業。小森啓二郎にとってクロムハーツのプロダクトは、その最たるもののひとつだ。「素材もつくりも最高峰。説明不要の存在感がありながら、プロダクトの物語を知ることでまた魅力が深まる。他に比較の対象になるものすらない。突き抜けた本物とはこういうこと なのだと思います」

バッグ、ウォレットチェーンはすべてクロムハーツで本人私物。


唯一無二の“世界観”に ワクワクさせられる。

-Takeshi Mori-

森 健(もり・たけし)●1982年、神奈川県生まれ。人間の身体を土台から整えるオーダーメイドインソールを製作。インソールの効果を高めるオリジナルシューズも製作。今後サンダルの展開も。www.footworks-tokyo.com

「素材もつくりももちろん素晴らしいと思 うのですが、僕がなによりもスゴいと感じるのはその世界観。これだけは絶対に真似できないものだと思う」。理屈で説明することが難しい、いわばアートの領域だ。「プロダクトも店もスタッフも、とにかくすべてが格好よくて、絶対的にブレないその世界に触れているだけで感性が刺激されて気分が高揚する。そういう意味で、唯一無二のブランドなんだと思います」

レザーシャツ、バッグ、財布、クイッククリップはすべてクロムハーツで本人私物。


活かし方はユーザー次第、 まさに比類なきブランド。

-Osamu Shigematsu-


重松 理(しげまつ・おさむ)●1949年、神奈川県生まれ。ユナイテッドアローズ名誉会長。ビームスの立ち上げに携わり1号店の店長を務める。89 年にユナイテッドアロー ズを設立。2016年に自らがプロデュースする専門店「順理庵」をオープン。

「僕は基本的にジャケットを軸としたビジネススタイルにクロムハーツを合わせています。それがサマになるのはクロムハ ーツくらい」。ベルトのバックルとダイヤ入りリングはシルバーではなく、プラチナでパーソナルオーダーしたもの。いまは既製品でもプラチナの展開はあるが当時は希少な代物だった。「圧倒的な世界観がありながら実は間口も懐も深い。ユーザーが自分の価値観で楽しめるのも凄さだと思う」

レザーベスト、ベルト、リング、ステッキはすべてクロムハーツで本人私物。


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※こちらはPen 2021年7月号「コーヒーとグリーン、ときどきポッドキャスト」特集よりPen編集部が再編集した記事です。

問い合わせ先/クロムハーツ トーキョー TEL:03-5766-1081