アメリカに残る“マックマンション”とは? その市場価値下落から見えてくる住宅トレンド

  • 文:稲石千奈美

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マックマンションは、郊外からさらに遠い森林や農地などが開拓された分譲地で販売されてきた。竣工することなく風化する姿はアメリカ各地で見られる。ここは道路も整備されていないままだ。photo: Alamy/amanaimages

マックマンションとは、ファストフードのスーパーサイズハンバーガーのように、質よりもサイズ、うわべの豪華さを重視して量産されたコテコテの大型分譲住宅を指す。バブル期の団塊世代の成功した証しとしてアピールされ、郊外からさらに遠い新分譲住宅エリアに乱立した。しかし、リーマンショック後の不渡りや、大きな利幅を追求して建設されたマックマンションが不景気で放り出されるなど、市場がしばらくもたついている。

高齢化する居住者は、安普請につくられたためにメンテナンスも大変なマックマンションを手放したいところ。ミレニアル世代が求めるのは、虚栄のための家ではなく、ロケーション、広さ、間取り、モダンでエコなスタイルなど、自分たちの現実的な暮らしに合う物件。彼らのテイストには合わないが、コンパクトな住宅を選ぶミレニアル世代もパンデミックで在宅時間が増えたことにより、広さを重視するようになった。とはいえ、シャンデリアとらせん階段のある吹き抜けの玄関に代表される過度なデザインのマックマンションは不要だ。オープンな間取りよりもプライバシーのある多目的部屋や、広めの庭、パティオなど屋外で過ごせるスペースを好む。マックマンションにとって、今回のパンデミックが味方となってくれたわけではなかったのだ。

売りに出されてしまったマックマンション。面積は800㎡、3階建てであればエレベーターが付いていても珍しくない。あれもこれもと欲張って設計されているため、外観に統一感がない。photo: Getty Images

パンデミック後、ミレニアル世代に人気なのが備え付けの屋外プール。裏のパティオはリビングルームのようにゆったりし、テレビモニターやバー、キッチンなどを備えることもある。photo: Alamy/amanaimages

アメリカに残る“マックマンション”とは? その市場価値下落から見えてくる住宅トレンド

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