アマゾンが展開する、3つの実店舗を知ってるか?

  • 文:稲石千奈美

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実店舗最新型のアマゾン・ゴー・グローサリーはレジ不要のスーパーマーケット。写真中央の棚は、地元シアトルの人気ベーカリーのパン。地元の商品を扱っているのもこの店の特徴だ。photo: Getty Images

EC、人工知能アレクサ、エンターテインメントメディアなど、多方面で消費者生活にすっかり浸透しているアマゾンは、アメリカでは実店舗を展開している。2018年に開店した「アマゾン・ゴー」は、専用アプリに表示されるQRコードをスキャンして入店。欲しい商品を棚から取ったらそのままレジ精算なしで店を出られる、画期的な「ジャスト・ウォーク・アウト」モデルを導入。コンビニのような規模感の店で、現在サンフランシスコなど全米4都市に26店舗を構える。最新の「アマゾン・ゴー・グローサリー」はこのモデルのスーパーマーケット版。ばら売りの野菜、プライベートブランド、地元の人気商品も含め、ネットで蓄積したビッグデータを利用し、約5000点の商品を揃える。20年にオープンしたシアトル店に続き、近郊に2号店がオープンしたばかり。

一方、「アマゾンフレッシュ」はレジ不要のショッピングも、レジ精算も可能な混合型。店には一般客もいるが、アマゾンアプリ連動のダッシュカートを押している多くは、ネット注文に対応するスタッフだ。また、ネットで購入したアマゾン商品の受け取りや返品もこの店舗で対応可。

全米小売全体の売り上げでECが占めるのは1割程度。多様な試みで実店舗に取り組むEC王者アマゾンの強力な武器は貴重なビッグデータだ。テクノロジーを駆使して、消費者が欲しいものを実際に手に取れるアマゾンの実店舗拡大は続く。


アマゾン・ゴー・グローサリー

通りから見える、2020年2月に開店した1号店。売り場面積は715㎡で、アメリカの標準スーパーより小さめのサイズ。2号店はシアトル郊外に出店した。photo: Amazon

迷うほど種類が豊富なベーカリーコーナー。数百機のカメラが消費者の行動を捉えているので、一度手に取った商品を棚に戻しても精算ミスの心配はない。photo: Getty Images

アマゾン・ゴー

コンビニ風のコンパクトなアマゾン・ゴーの店内。棚には軽食、飲み物、スナックなどが並ぶ。棚にセンサー、店内にカメラが設置されており、アプリと連動している。photo: Getty Images

専用アプリのQRコードをスキャンすると入り口のゲートが開く。商品のスキャンは不要で欲しい商品を棚から取って、店を出るだけ。質問に答えてくれるスタッフも常駐。photo: Alamy /amanaimages

アマゾンフレッシュ

ダッシュカートで買い物する場合は、まずアマゾンアプリのQRコードをカートでスキャン。カートに入れた買い物袋に商品を放り込み、精算せずにそのまま店を出るだけ。photo: Amazon

ロサンゼルス郊外のウッドランドヒルズの広々とした店内。一般スーパーに競合する、チャレンジングな価格設定で、品揃えはAIが選んだと思うと面白い。有機食品も豊富。photo: Amazon