エベレスト登頂中に滑落死した、 若き登山家の心の空洞。

  • 文:今泉愛子

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『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』 河野 啓 著 集英社 ¥1,760(税込)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

エベレスト登頂に8度目の挑戦中、35歳で滑落死した登山家の栗城史多(くりきのぶかず)。凍傷で指9本を失ってからも「夢は叶う」と言い続けた。映像ディレクターの著者はまず、彼が目指した7大陸単独無酸素登頂の欺瞞を明かす。彼の時間の多くはスポンサー獲得のための営業や講演などが占めていた。登山のネット中継にもこだわったが、彼をそこまで駆り立てたのはなんだったのか。丹念な取材で登山家の心の空洞を解き明かしていく。



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