靴のアート展も話題の、深谷秀隆さんがイタリアから来日してオーダー会を行います。

  • 文:高橋一史

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フィレンツェの工房の風景。

イタリアで自身の靴のビスポーク店、「イルミーチョ(IL MICIO)」を構えた初の日本人である、デザイナー&職人の深谷秀隆さん。高級靴の革と技術で制作した、誰も見たことがない造形の靴のアート展が、イタリアに続き日本でも開催され評判を呼んでいます。 <紹介記事:ぐにゃぐにゃになり、丸まり、これを革靴と呼べるのか !? フィレンツェ在住靴職人、深谷秀隆のアートを表参道で。> 
その深谷さんが年2回来日しセレクトショップ、「トゥモローランド」の店内で行っているビスポークのオーダー会が、2017年7月15日(土)、16日(日)の二日間、「トゥモローランド 丸の内店」で開催されます。アート展の波及効果もあり、これまで以上に注目が集まるこのイベントについて、深谷さんに話を伺いました。

まずは、顧客がオーダーする靴のデザインについて。イルミーチョのハウススタイルが中心になるのでしょうか。
「そうですね。お客さんとの話し合いの中で決めていきます」
ユニークな革もあるのでしょうか。
「キャメルの革ですね。探して手に入れたもので、柔らかく独特の風合いです」
納期はどのくらいの期間でしょうか。
「仮縫いを行うまでが、半年後で、お届けできるのは約1年先です」
日本人客とフィレンツェでオーダーする客との違いは?
「日本のお客さんのほうが靴の知識が豊富です。ただ、それも善し悪しで、靴職人としては、ヨーロッパの歴史の中で培われた、地位が高くビスポークを本当に必要としている方に届けたい、という思いもあります。伝えたいのは製法ではありませんし、靴マニアのための仕事とは考えていないんです。日本ではビスポークが流行しており、本来のあり方とは違っている気もします」
どのようなやり取りが望ましいのでしょうか。
「ビスポークシューズは伝統的には、一回限りで終わりにするものではありません。お客さんとお互いにやり取りを重ね、完成されます。そのような心づもりでいただけると嬉しいです」

気になる価格は、65万円から。オーダーできる人は限られますが、靴の本場で認められた実力と感性を兼ね備えた深谷さんによる、個人のための世界にただ一つの仕事です。日本にいながら入手できるこの機会に、贅沢を愉しんではいかがでしょうか。

オーダー会の店内。

基本となる木型は、スクエアとラウンドの2種類。マテリアルは、ボックスカーフ、スエード、型押し、コードバン、シャーク、アリゲーターなど。

1998年にイタリアに渡り、2005年に「イルミーチョ」をオープンさせた深谷秀隆さん。

3名の弟子のいる工房で手縫いで仕立てられます。

人の手により色気のある造形が生まれます。

TRUNK SHOW SCARPE SU MISURA il micio

開催期間:2017年7月15日(土)、16日(日)
開催場所:トゥモローランド 丸の内店
千代田区丸の内2-5-1 丸の内2丁目ビル 1F
営業時間:11時〜20時
TEL:03-5220-2391