【ピアジェを巡る6つの逸話】第4回:職人の手作業による、極上の仕上げ。

  • 写真:宇田川 淳
  • 文:並木浩一
  • イラスト:コサカダイキ
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1874年創業、至高の技が光るウォッチ&ジュエリーメゾン、ピアジェ。ここでは毎回6つの視点から、ピアジェのものづくりをひも解いていく。第4回はスケルトンウォッチを通して、手作業なしでは完結しないという仕上げに焦点を当てる。

「アルティプラノ」のスケルトンウォッチ。表裏どちらからもムーブメントの秘義を明らかにする、超絶技巧が見事。ブリッジのすべての角、あらゆる部品の面取りと表面装飾の多くに、手作業による「オートオルロジュリー」レベルの仕上げが施されている。自社製超薄型ムーブメント「1200S」搭載。自動巻き、18Kホワイトゴールド、ケース径38mm、パワーリザーブ約44時間、アリゲーター革ストラップ、30m防水。¥6,600,000(税込)

ピアジェの腕時計は、仕上げが比類なく美しい。この世界的ジュエラーでは、時計の主要部品に使われるスチールや真鍮がプラチナかゴールドのように見えるのだ。その魔術師的な技が「アルティプラノ」のスケルトンウォッチでは、はっきりとわかる。視線を透過する金属の造形が有機的に結合した、どこも隠さない時計。全体の構成に感嘆させられるだけでなく、機械のどの細部に焦点を合わせても、美意識には一分の隙もない。美術工芸のレベルにある優れた仕上げは、腕時計全体の価値を反映したものだ。フォルムが整い、部品の寸法はミクロン単位まで正しく、あらゆる歯車が正確に噛み合って動き、音にはわずかな濁りもない。完璧さに胸を張る腕時計だけが、さらに外見を整える資格をもつのである。

熟練の職人による美しい仕上げは、スイス高級腕時計の真髄。ピアジェの「オートオルロジュリー」レベルの仕上げは、手作業なしには成立しないミクロの芸術領域だ。

ピアジェはスケルトンウォッチに、手作業なしでは完結しない「オートオルロジュリー」レベルの仕上げを施すことを定めている。スイス高級腕時計の伝統にのっとり、手作業が不可欠で煩雑な作業を、プロトコルとして自らに課すのだ。美しさを最大限に引き出すピアジェの一連の作業は、その時計が間違いなく優秀であり、極上の仕上げにふさわしいものであることも、また意味しているのである。

12時位置にメインスプリング、6時位置と9時位置でテンプとマイクロローターの後ろ姿が動的ダイナミズムをみせるスケルトン。巧みな線で構成されたメインプレートは表面をヘアラインで仕上げ、磨き込まれたすべてのエッジと美しい光陰の対照をつくる。手作業なしには生み出せない、きわめて高い完成度だ。
不必要なものがひとつもないストイックなスケルトン構成は、メタルの無彩色と受け石のルビーの紅だけで描かれる。それでも機械をジュエリーのように見せられるのは、世界的ジュエラーが一切の手抜きなしに、誇りをもって仕上げているからだ。歯車の一つひとつ、ネジの頭にも念入りな仕事が施されている。

問い合わせ先/ピアジェ コンタクトセンター  TEL:0120-73-1874  www.piaget.jp