1874年創業、至高の技が光るウォッチ&ジュエリーメゾン、ピアジェ。本連載ではそのものづくりの全貌を、6つの視点から紐解いていく。第2回は、名作「ピアジェ ポロ」を通して見えてくる、時代を超越したデザインについて。
「ピアジェ ポロ」の 2020 年モデルに登場したのは、ブルーがかったグリーン文字盤のブレスレット・モデルである。ひと目見たら忘れられないその外見は、まっさらな最新作でありながらどこか既視感を誘う。このモデルが備える独特のク ラシックなテイストは、ピアジェの時計にしかないものだ。初めて見るのに惹かれる大きな理由である。最も個性的なのは、ラウンドケースにクッション型の文字盤という独創の組み合わせだろう。縦横のアスペクト比が近い昔のテレビ スクリーンのようなフェイスは、我々の頭の中にあるデザイン知識のアーカイブから、70年代の記憶を呼び起こす。
ギョーシェ仕上げが施され、入射光を魅惑的なフレアで返す鮮烈なグリーンも、ピアジェが得意としてきたオーナメンタルストーン文字盤をもつ歴代の逸品のイメー ジに重なる。ピアジェにとってヴィンテ ージ・デザインは過去への郷愁ではなく、いつでも取り出せるレガシーだ。
1979年の初代モデルは、ブレスレット一体型デザインを採る腕時計の先駆者であり、その後の流行を牽引した。過去に未来であったピアジェ ポロはいま、モダンでありながらクラシックな、時代を超越した魅力で手招きするのである。
問い合わせ先/ピアジェ コンタクトセンター TEL:0120-73-1874 www.piaget.jp