約3年の工事を終えオリジナルの姿で蘇った、ニューヨークの名物駅舎。

文:鈴木希実

マンハッタンの表玄関のひとつであるペンシルベニア駅(通称ペン駅)が、3年と16億ドルをかけた工事を終え、駅舎「モイニハン・トレイン・ホール」がオープンした。今回の工事の目的は、1910年に完成したオリジナルの駅舎の復元と、設備の拡張。元々の駅舎は、カラカラ浴場やオルセー駅(現在のオルセー美術館)など、世界中の名建築の様式を参考に取り入れた、ニューヨークが誇る美しい建築物であったにもかかわらず、1963年に取り壊しが決定。幸いなことに外観とチケット売り場は取り壊しを免れ、その後増築され郵便局やオフィスとして使用されていた。 今回の工事でマディソン・スクエア・ガーデン地下の既存の駅舎と、...

続きを読む