台湾のランドマーク「誠品書店」一号店は、こうして31年の歴史に幕を下ろした。

写真:Jimmy Yang 文:近藤弥生子

世界で最もクールな書店と讃えられ、東京・日本橋に出店したことでも話題になった、台湾の「誠品書店」第一号店である「誠品敦南店」が、2020年5月31日を最終営業日とし、31年の歴史に幕を下ろした。1989年に吳清友(ロバート・ウー)が創業して以来、書店の域を超えて台湾を代表する文化企業として発展した誠品書店。第一号店である旧敦南店はすぐ隣に場所を移し、世界初となる24時間営業の書店として再オープンしたのが95年。今回、入居していたビルの契約が切れることを理由に閉店となった。 言論や出版の自由を奪う戒厳令が87年に解かれたばかりの台湾で、人々の読書習慣を築き上げたのは誠品敦南店の功績だ。...

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